DSらしい浮遊感の走りが、コンフォートモードで味わえる
DS9のディメンジョンは、全長4940mm、全幅1855mm、全高1460mm、ホイールベース2895mm。パワートレーンは、1.6L直4ターボ(225ps)仕様車に加え、これに出力110psを発生する電気モーターをフロントに積みトータル250ps/360NmのPHEVをラインナップする。
試乗したのは、装備類が充実したエンジン車のオペラ。DS9をよく見ようと近づくとドアハンドルがポップアップする。遠ざかると今度は自動で収納されロックしてくれる。とてもスマートかつ便利なアンロック/ロック機能である。またドアハンドルが収納された時のフォルムは、とても美しく、いつまで見ていても飽きない。
他にも、このDS9にはお楽しみがある。それはLEDヘッドライトだ。キーでロック解除すると、LEDヘッドライトがアクセントカラーのパープルの輝きを放ち、回転してドライバーを迎えてくれる。これは一見の価値ありだ。
DS9には、随所にDSのアイコンが見える。それはパールのネックレスをイメージしたという縦型のデイタイムランニングライトであり、ダイヤモンド形のグリルであり、LEDテールライトである。そしてこれまでのDSにない雰囲気を出しているのが、エンジンフード上に縦に伸びたセイバーである。これは、ひと目でDS9だと認識することができる。
DS独特のセンターコンソールにあるエンジンスタートスイッチを押すと、その上が回転しB・R・Mのアナログ時計が現れ、1.6Lエンジンに火が入る。
走り出すと、実に穏やかなフットワークが印象的だ。ドライブモードが選べるので、もう少しハードに走りたければ「スポーツ」を選べばいいだけだが、お勧めはやはり「コンフォート」である。この走りは実にDSらしいもの。
この浮遊感とも言えるDS独特の味わいを醸し出すのが、標準装備される「DSアクティブスキャンサスペンション」である。これは特別な操作は必要なく、「コンフォート」時に常に作動しているもので、フロントのマルチファンクションカメラが前方5〜20mの路面状況を瞬時にスキャンして路面の凹凸を検知、路面に合わせたフィードフォワード制御が働き、四輪ダンパーの減数力をそれぞれ独立して最適化するというもの。DS9は、この走りが味わえるだけでも選ぶ価値があるだろう。(写真:井上雅行)
DS DS9 オペラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4940×1855×1460mm
●ホイールベース:2895mm
●車両重量:1640kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1598cc
●最高出力:165kW(225ps)/5500rpm
●最大トルク:300Nm/1900rpm
●トランスミッション:8速AT(EAT8)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:14.4m/L
●タイヤサイズ:235/45R19
●車両価格(税込):699万9000円