あおり運転を検知すると自動的にイベント録画を始めてくれる
新車購入時や所有しているクルマに装着する、さらはすでに装着しているものを買い替えるなど、ドライブレコーダー需要は今なお高い水準を保ち、装着数も年々増え続けている。パイオニアによると、これは事故の時の証拠や駐車中のトラブル、あおり運転の証拠を残すという用途での購入や買い替えが増えているのだという。
クルマに「録画しています」というステッカーを貼っているクルマを時々見かけるが、そうしてあおり運転被害を防がなければならないとは悲しい世の中だ。
そんなあおり運転被害の証拠を、自動的に録画し、保存する2カメラタイプドライブレコーダーがパイオニアから発売された。「VREC-DZ800DC」である。
この製品の特徴は、高感度センサーの採用、24時間365日の駐車監視機能、後方からのあおり運転検知機能、WiFiの搭載などだが、とくに走行中も駐車中もさらに暗闇であっても映像で証拠をしっかり残すことに注力された。
なかでも気になる「あおり運転検知機能」は、後続車がある一定距離に近づくとドライブレコーダーのリアカメラを稼働させ、自動的に録画開始、フォルダに自動保存される。つまり、あおり運転に遭遇した時もしっかりと検知し、その状況がすべて記録できている安心感を提供するということだ。
独自のアルゴリズムで開発。検知ロジックは人感覚で最適化
一般的なドライブレコーダーの場合、衝突や急な加減速などを検知してはじめて録画が始まるモデルもある。しかし、たとえば危険運転に遭遇するリスクは昼夜を問わないし、一般道と高速道路では走行速度の違いによって感じ方も違うだろう。さらに昼と夜でも印象は違ってくるはずだ。それらをパイオニアが独自のアルゴリズムで開発し、速度や周囲の明るさによって検知アルゴリズムを変更し、人の感覚に近い検知精度を実現したのである。
その開発には「3現主義」を重視してチューニングされたという。3現とは「現場・現物・現実」のことで、つまり日中や夜間、市街地や郊外、トンネルや逆光などといったさまざまなシチュエーションを実際に走行してチェック、画質や解像感などをチューニングしてまた実走を繰り返す、ということだ。
助手席で擬似的なあおり運転を体験すると、運転しているときのような緊迫感こそないが、タイトル写真のように後続車との車間距離が極端に縮まると作動音とともに自動的に録画が開始された。これは明らかにあおり運転に遭遇している状況である。自衛策として効果があると感じられた。(写真:井上雅行)
パイオニア VREC-DZ800DCの主な仕様
●記録媒体:microSDHC/microSDXCカード Class10(16GB〜128GB)
●フロントカメラ有効画素数:約200万画素
●フロントカメラ記録画角:水平130度 垂直68度 対角160度
●フロントカメラレンズF値:F2.0
●リアカメラ有効画素数:約200万画素
●リアカメラ記録画角:水平112度 垂直58度 対角137度
●リアカメラレンズF値:F1.9
●録画モード:1920×1080P/1280×720P
●GPS搭載
●3軸Gセンサー
●記録方法:連続録画/手動イベント録画/駐車監視録画
●録画ファイル構成:1分/3分/5分
●ディスプレイ:2.0インチ
●外形寸法:106.1×78×46.7mm(本体)/63.2×37.1×31.6mm(リアカメラ)