心臓部は3Lディーゼルツインターボ+MHV
BMW アルピナに、4シリーズをベースとする「D4S グランクーペ アルラッド」が新たにラインナップされた。その魅力は、なんといっても搭載される3L直6DOHCディーゼルツインターボ(355ps/730Nm)とマイルドハイブリッド(MHV)テクノロジーとによる痛快な走行性能ではないだろうか。そのパフォーマンスは、0→100km/hが4.8秒で最高速度が270km/h。なかなかのやり手だ。
駆動はBMW xDriveをベースとした4WDシステムが採用される。トルク配分は、グランクーペのスポーティなキャラクターに合わせ、アルピナ独自のリア寄りの駆動力配分とされる。加えて、標準装備されるリアの電子制御式アクティブLSD(リミテッドスリップデフ)が最適なトラクションを生み出すとともに、特に横Gがかかるコーナリング時にドライビングダイナミクスの向上に効果を発揮してくれるという。
ドライビングダイナミクスの追及も怠りがない。フロントのキャンバーを1.25度ネガティブに設定し、横方向への非常に優れたダイナミクスの実現が図られている。バリアブルダンパーコントロールのアルピナ独自のセッティングも行われている。これは、BMW アルピナ4シリーズに合わせて特別に開発されたもので、効果的にロールを抑え、横方向のダイナミクスにもしっかり対応することができるという。
バリアブルスポーツステアリングシステムにも注目したい。小さいステアリングアングルでもダイレクトなレスポンスが期待できる。
ピレリ社がアルピナのために作った当別なタイヤを装着
ドライビングモードは、コンフォート、スポーツ、スポーツプラスの3つが用意される。コンフォートモードは、高速域でもスムーズな直進安定性が確かに感じられ、2つのスポーツモードはダイレクトなレスポンスが特徴となる。
足もとには、20本の細いスポークがロック付きのセンターホイールカバーから外側のホイールリムに広がっていく、先進デザインの20インチ鍛造アルミホイールを標準装着。約12kg という軽さには驚かされる。タイヤは、フロントに255/35 ZR20(8.5x20インチ)、リアに285/30 ZR20(10x20インチ)。「ALP」の文字が刻まれたピレリP ZEROが履かされる。「ALP」とは、ピレリ社がアルピナのために特別に開発した、カスタムメイドのタイヤであることを表している。
制動系は、フロントに4ピストン固定キャリパーと395mm 径のブレーキディスク、リアにはフローティングキャリパーと345mm 径のブレーキディスクが組み合わされる。これは巡航最高速度が 301km/h に達するBMWアルピナB4と同じものだ。オプションとして、ペダルからよりスポーティなフィードバックが得られる、軽量構造のドリルドブレーキディスクを組み合わせた高性能ブレーキシステムも設定されている。
エクステリアは、クーペならではのエレガントなラインが目をひく。そこにアルピナならではの、フロントスポイラーやリアスポーラーがアクセントとして装着される。どちらも控えめだが、そうでないのがエキゾーストシステムだ。アルピナスポーツエキゾーストシステムのオーバル形状4本出しのテールパイプと大型のリアデフューザーが高性能モデルであることを主張している。
ボディカラーは、BMW社からのIndividual ボディカラーがベースとなるが、BMW アルピナ専用メタリックカラーのアルピナブルーとアルピナグリーンも用意されている。
他としては、シートヒーター、ステアリングホイールヒーティングなどのコンフォート機能や、可変スピードリミッター、クロストラフィックウォーニング&レーンチェンジウォーニングといった先進安全機能、さらにパーキング&ドライビングアシストを備える革新的なBMWドライビングアシストシステムが標準で装備される。
そして、製造番号を刻印したアルピナプロダクションプレートや高品質なラヴァリナレザーで仕上げたステアリングホイールなどのエレガントなディテールもこのモデルの特別感を醸し出している。
BMW アルピナ D4S グランクーペ アルラッド主要諸元
●全長×全幅×全高:4792×1850×1440mm
●ホイールベース:2856mm
●車両重量:2020g
●エンジン:直6DOHCディーゼルツインターボ+モーター
●総排気量:2993cc
●最高出力:261kW(355ps)/4000-4200rpm
●最大トルク:730Nm/1750-2750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量: 軽油・59L
●WLTPモード燃費:14.5km/L
●タイヤサイズ:前255/35ZR20、後285/30R20
●車両価格(税込):1227万円