ジープファミリーに加わったピックアップトラック「グラディエーター」で悪路を走り、そのオフロード性能の高さを存分に味わうことができた。(Motor Magazine2022年8月号より)

3.6L V6DOHC搭載のラングラーのピックアップ版

日本でのジープ人気は、とても高い。 2021年1 ~ 12月の販売台数を見ると1万4294台で、ブランド別ではボルボに継ぐ7位となった。これは対前年同期比105.2%である。そんなジープファミリーに加わったグラディエーターにオフロードコースで試乗する機会を得た。

画像: 悪路走行時は車両底部のスキッドプレートがフューエルタンク、トランスミッションなどを保護する。

悪路走行時は車両底部のスキッドプレートがフューエルタンク、トランスミッションなどを保護する。

グラディエーターは、簡単に言えば「ラングラーのピックアップ版」だが、全長5600mm、ホイールベース3490mm、車両重量は2280kgと実に規格外である。

そもそもステランティスは、グラディエーターの日本導入は計画になかったというが、本国での発表とともに販売店への問い合わせが多くあり、導入を決断。その結果、注文が殺到しているという。

搭載するのは、3.6L V6DOHCエンジン。最高出力284ps、最大トルク347Nmを発生、これに8速ATが組み合わされる。ラングラーは現行型が2L直4ターボしかないので、V6エンジン搭載のジープを選ぶならグラディエーターとグランドチェロキーの2モデルとなる。それも人気を押し上げているのかもしれない。

画像: 試乗車は、BF Goodrich Mud Train T/Aを装着。このタイヤでなければ走破できない場面もあった。

試乗車は、BF Goodrich Mud Train T/Aを装着。このタイヤでなければ走破できない場面もあった。

さて今回、特設オフロードコースでグラディエーターのハンドルを握ったが、走り出すと意外とボディの大きさが気にならなかった。大自然の中だったからということもその理由だろう。都会では、ちょっと持て余すサイズだ。

悪路走破性は、さすがジープの製品だと言えるものだった。試乗日の朝まで降っていた雨の影響でコースは泥々状態。ジープでなければ試乗は中止となるようなコンディションだが、グラディエーターは難しい運転技術などまったく必要なく走り切ってしまった。

また通常ならスタックしてしまうような深さのある水溜まりなどもあったが、そうした場所も楽々と、そして楽しげに走破していくのには驚いた。「さすがジープだ」のひと言である。

ジープ グラディエーター ルビコン 主要諸元

●全長×全幅×全高:5600×1930×1850mm
●ホイールベース:3490mm
●車両重量:2280kg
●エンジン:V6DOHC
●総排気量:3604cc
●最高出力:209kW(284ps)/6400rpm
●最大トルク:347Nm/4100rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・83L
●最小回転半径:6.9m
●タイヤサイズ:255/75R17
●車両価格(税込):840万円

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