2022年7月21日、日産自動車はミドルサイズSUVの「エクストレイル」を9年ぶりにフルモデルチェンジして世界初公開した。日本市場は7月25日より発売開始、世界市場で順次発売を開始していく。日本仕様の価格は標準仕様が319万8800円〜449万9000円、AUTECHが手掛けた上級モデルが420万5300円~504万6800円。

VCターボエンジンを発電のために搭載、4WDには「e-4ORCE」も採用

2000年に登場した初代エクストレイル(T30)は、力強い走りやラフな使い方にも耐えることから、たちまちアウトドアスポーツを楽しむ若者を中心に「タフギア」として人気を集めた。

画像: 新型エクストレイルのリアビュー。リアコンビランプは切子ようなキラキラと光り輝く加工が施され立体感のある凝ったデザイン。

新型エクストレイルのリアビュー。リアコンビランプは切子ようなキラキラと光り輝く加工が施され立体感のある凝ったデザイン。

エクストレイルは、その後も2007年登場の2代目T31、2013年登場の3代目T32とそのコンセプトを受け継ぎながら進化を遂げ、ワイルドでありながらインテリジェンスに溢れた定番アクティブヴィークルとしての不動の人気を築き上げてきた。

そして、4代目となる新型エクストレイルは、初代モデルからのDNAである「タフギア」を継承しつつ、新たに「上質さ」を加え、さらに第2世代「e-POWER」と「VCターボ」、そして電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載したことで、まったく新しいSUVへと生まれ変わった。

パワーユニットは日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン「VCターボ」を使った第2世代「e-POWER」を採用。力強く、なめらかな走りを実現するために、軽量コンパクトで、常用域から加速時まで圧倒的な出力と静粛性をもたらす1.5L 直3 VCターボエンジンをあえて発電用に搭載したのが大きなポイントだ。

画像: 発電用の1.5L VCターボは、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン。4WDモデルは、最高出力150kW/最大トルク330Nmのフロントモーターと、最高出力100kW/最大トルク195Nmのリアモーターを搭載する。

発電用の1.5L VCターボは、日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン。4WDモデルは、最高出力150kW/最大トルク330Nmのフロントモーターと、最高出力100kW/最大トルク195Nmのリアモーターを搭載する。

アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできる「e-Pedal Step」は、e-POWER車で初めてブレーキ協調制御を採用し、加減速を繰り返す市街地走行に加え、状況に応じて自動的に油圧ブレーキを作動させている。

駆動はフロンモーターのみの前輪駆動と、前後輪にモーターを配した4輪駆動の2種類を設定。4輪駆動仕様には、前後2基の高出力モーターと左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力を最適化し雪道や山道の走破性に力を発揮する、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載する。

「e-4ORCE」は、路面と車両状況を瞬時に判断し、タイヤの摩擦力を最大限使い切れるように前後モーターの駆動力やブレーキをきめ細かく制御。オフロードや雪道でも常に最適なトラクションを確保することで、タイヤのスリップやスタックを回避し、スムースな発進・走行を可能するほか、市街地走行ではアクセルの踏み込みに素早く応答し伸びのある加速を実現、減速時には前後のモーターそれぞれで回生量を調整し、車体の挙動を安定させる。

「タフギア」を継承しつつ、「上質さ」も追求

新型エクストレイルはプラットフォームも一新。ホイールベース2705mmはそのままに、全長を30mm短縮してコンパクト化。これにより取り回しがよくなっている(最小回転半径は5.4m)。

画像: タフさと上質な心地よさを兼ね備えたインテリア。センターコンソールはボード部を宙に浮かせたブリッジ構造。

タフさと上質な心地よさを兼ね備えたインテリア。センターコンソールはボード部を宙に浮かせたブリッジ構造。

その一方で、室内空間のゆとりも増しており、ロードノイズやエンジン音などの遮音を徹底することで高い静粛性も実現している。

新型エクストレイルのもうひとつのポイントは「上質さ」。それは凝ったデザインのエクステリアやランプ類、コンソール部分を宙に浮かせたブリッジ構造のセンターコンソールのインテリア、日本市場初となる「カーディナルレッド」、シャンパンのような上質でエレガントな色合いの「シェルブロンド」、タフで力強さの象徴となる「ステルスグレー」のボディカラーからもうかがえる。

シート素材に、ブラックのファブリックに加え、日産が独自で開発を行い初採用となる、しっとりとした肌触りと包まれる心地よさをもたらす次世代シート素材「テーラーフィット」、タン色のナッパレザー、そしてスキーやマリンスポーツなどのアウトドアアクティビティに役立つセルクロスを使用した防水シートの合計4種類が用意されるのは、新型エクストレイルらしい「タフさと上質さ」の両立ということだろう。

なお、ラゲッジスペースは、荷室の幅、開口幅を広げることで、荷物の積み下ろしを容易としている。

360°全ての方向の安全を確保する「360°セーフティーアシスト(全方位運転支援システム)」、「SOSコール」、対向車や先行車の有無に応じてハイビームの照射位置をコントロールする「アダプティブLEDヘッドライトシステム」、ナビリンク機能が追加された「プロパイロット」、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロット パーキング」など、豊富な先進機能も見逃せない。

日産自動車のアシュワニ グプタCOOは、「日産は、長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』の中で、商品やサービスの提供を通じて、よりクリーンで安全、インクルーシブな社会を実現するというビジョンを掲げています。このビジョンを達成するために、主要モデルの電動化を推進しており、ホームマーケットの日本においては、新型エクストレイルにもe-POWERを搭載し、さらにe-4ORCEも搭載しました。エクストレイルは、日産の電動化戦略をけん引する重要なモデルとしての役割も担っていきます」とコメントしている。

新型エクストレイルのラインナップは次のとおり。

■新型エクストレイル(車両価格は消費税込み)

【4WD】 
S e-4ORCE(2列シート):347万9300円 
X e-4ORCE(2列シート):379万9400円 
G e-4ORCE(2列シート):449万9000円 
X e-4ORCE(3列シート):393万0300円
エクストリーマー X(2列シート):412万9400円
エクストリーマー X(3列シート):426万0300円
AUTECH e-4ORCE (2列シート):446万7100円
AUTECH e-4ORCE (3列シート):459万8000円
AUTECH e-4ORCE Advanced Package(2列シート):504万6800円
【2WD】
S(2列シート):319万8800円 
X(2列シート):349万9100円 
G(2列シート):429万8800円
AUTECH (2列シート):420万5300円
AUTECH Advanced Package(2列シート):484万6600円
※2WDは2022年秋発売開始予定

■新型エクストレイル オーテック(車両価格は消費税込み)

【4WD】 
オーテック e-4ORCE(2列シート):446万7100円
オーテック e-4ORCE Advanced Package(2列シート):504万6800円 
オーテック e-4ORCE(3列シート):459万8000円 
【2WD】
オーテックE(2列シート):420万5300円
オーテック Advanced Package(2列シート):484万4600円 ※2WDは2022年秋発売開始予定

また、同時に、日産モータースポーツ&カスタマイズから、エクストレイル「オーテック」、「エクストリーマーX」もフルモデルチェンジして登場した。

「オーテック」は新型エクストレイルをベースに、さらに高級感や特別感を高めたモデル。とくにインテリアには手の込んだ曲線を多用して立体感のあるキルティングで仕立てたシートをはじめ、「AUTECH」ブランドを象徴するブルーステッチが施されたステアリング、ドアトリム、インストパッド、センターコンソールボックスなどを装備し、最上の質感を追求した室内空間となっている。

「エクストリーマーX」は、専用のエクステリアパーツや防水シートを装備し、ベース車の「タフギア」イメージをさらに高めたモデル。アンダープロテクターやブラックのドアミラー、アウトサイドドアハンドル、ルーフレールのほか、切削面とブラック塗装を組合わせて力強さを表現した専用デザインのアルミホイールなどを採用し、SUVとしての存在感や重厚感を高めている。

■新型エクストレイル エクストリーマーX(車両価格は消費税込み)

【4WD】 
エクストリーマーX(2列シート):412万9400円
エクストリーマーX(3列シート):426万0300円 
※2WDは2022年秋発売開始予定

■新型エクストレイル G e-4ORCE 主要諸元

●全長×全幅×全高:4640×1840×1720mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1880kg
●パワートレーン:電気モーター×2
●モーター(前)最高出力:150kW/4501-7422rpm
●モーター(前)最大トルク:330Nm/0-3505rpm
●モーター(後)最高出力:100kW/4897-9504rpm
●モーター(後)最大トルク:195Nm/0-4897rpm
●発電用エンジン:直3DOHCターボ(可変圧縮比)
●エンジン総排気量:1497cc
●最高出力:106kW/4400-5500rpm
●最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:18.3km/L
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込):449万9000円

■新型エクストレイル G 主要諸元

●全長×全幅×全高:4640×1840×1720mm
●ホイールベース:2705mm
●車両重量:1780kg
●パワートレーン:電気モーター×1
●モーター(前)最高出力:150kW/4739-5623rpm
●モーター(前)最大トルク:330Nm/0-3505rpm
●発電用エンジン:直3DOHCターボ(可変圧縮比)
●エンジン総排気量:1497cc
●最高出力:106kW/4400-5500rpm
●最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
●駆動方式:FWD
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:19.7km/L
●タイヤサイズ:235/55R19
●車両価格(税込):429万8800円

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