2022年7月29日、F1第13戦ハンガリーGPが首都ブタペスト近郊のハンガロリンクで開幕する。サマーブレイク前の最後の一戦は、どんなレースとなるのだろうか。

速さのフェラーリ、レース巧者のレッドブル

予選で素晴らしい走りを見せるのに、決勝ではそれをうまく結果に結びつけられない。今シーズンのフェラーリの戦いぶりはどうもじれったい。

前戦第12戦フランスGPでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は予選で見事にポールポジションを獲得すると、タイヤをうまくマネージメントして完全に主導権を握っていたが、突然リアのグリップを失いコースアウト、バリアに激突してしまった。

画像: ルクレールがリタイアした後、レースはレッドブルVSメルセデスとなったが、フェルスタッペンがハミルトンに10秒の差をつけてゴール。

ルクレールがリタイアした後、レースはレッドブルVSメルセデスとなったが、フェルスタッペンがハミルトンに10秒の差をつけてゴール。

これでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追いつめるチャンスを失ったばかりか、差を大きく広げられることになってしまった。

そして迎える第13戦ハンガリーGPは前半戦最後のレース。グランプリは夏休みに入るだけになんとか挽回しておきたいところだが、サーキットの性格がフランスGPとは大きく変わり、また連戦で挑むことになるだけに、その戦いが注目されるところだ。

一方のレッドブルにとっては着実にポイントを加えておきたいレース。速さでフェラーリに差をつけられているのが気になるが、無理をする必要はない。

レッドブルとフェラーリの2強にとって、徐々にパフォーマンスを上げてきたメルセデス勢は注意すべき存在となりつつある。予選でスピード差があるものの、フランスGPではダブル表彰台を獲得している。

2022年F1ドライバーズランキング(第12戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)233
2位 C.ルクレール(フェラーリ)170
3位 S.ペレス(レッドブル)163
4位 C.サインツ(フェラーリ)144
5位 G.ラッセル(メルセデス)143
6位 L.ハミルトン(メルセデス)127

2022年F1コンストラクターズランキング(第12戦終了時)

1位 レッドブル 396
2位 フェラーリ 314
3位 メルセデス 270
4位 アルピーヌ・ルノー 93
5位 マクラーレン・メルセデス 89
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51 
7位 ハース・フェラーリ 34
8位 アルファタウリ・レッドブル 27

いつものグランプリ以上に予選順位が重要

では、ハンガリーGPが行われるハンガロリンク(Hungaroring)はどんなサーキットなのだろうか。

画像: ピレリが公開したハンガリーGPの分析データ。

ピレリが公開したハンガリーGPの分析データ。

ハンガロリンクはハンガリーの首都ブダペストから約20km北東にあるサーキットで、約4.4kmの短い全長に14のコーナーが待ち構えるタイトでトリッキーなレイアウトとなっている。空力性能よりも高いメカニカルグリップ、パワーよりもドライバビリティが要求される。丘陵地(標高264m)に建設されたため、比較的高低差が大きいのも特徴だ。

コース幅が狭く、直線部分が短いため、オーバーテイクが難しいことでも知られている。路面がバンピーで中速コーナーが多いので、サスペンションやダウンフォースの微妙なセッティングが重要なポイントとなる。また、サーキット全体が円形劇場のような形状で熱がこもりやすく、丘陵地帯にあるため天候が不安定になりやすい。

オーバーテイクが難しいため、いつものグランプリ以上に予選順位が重要となるが、ポールトゥフィニッシュは約30%と意外に高くない。序盤のポジション争いが激しくスタートで混乱もよく起きるし、スタートで首位を守れても逃げ切りはそう簡単ではない。

フランスGPが行われたポールリカールは、速いコーナーや全開のストレートを中心にテクニカルなセクションも併せ持つサーキットだったが、ここではまた違った戦略が必要となる。

画像: ハンガロリンクのコース図。トリッキーなレイアウトで、オーバーテイクは困難と言われる。

ハンガロリンクのコース図。トリッキーなレイアウトで、オーバーテイクは困難と言われる。

This article is a sponsored article by
''.