取材時の同伴車両として、また普段の足として、2カ月の期間限定で活躍してくれたシトロエン C3エアクロスSUV。また最後の1週間、ディーゼルエンジンを搭載した「シャインパッケージ BlueHDi」にも触れることができたので、合わせてレポートしよう。今回は後編。

オールシーズンタイヤを装着する理由がわかる、C3エアクロスの機能

ドライバーのさまざまな走り方に対応する懐の深さが、C3エアクロスSUVにはある。

一般道をゆったりのんびり流していれば、あたりの柔らかなサスペンションが衝撃を吸収してくれる。そのうえ、2021年11月の大幅改良と同時に採用された「アドバンストコンフォートシート」は、シート生地下のアンの厚みを従来の2mmから15mmに増量していることもあり、路面からの入力だけでなくエンジンの振動まで抑えてくれているように感じる。

乗りはじめてから数回は、反発力を強めに設定されているクッション性のためなのか、クルマを降りるとお尻に違和感を感じることもあったのだが、乗り続けていると身体にフィットするように変形して心地よさへと変わっていった。

わりとゆったりとした幅広な形状でサイドサポートも低めに設定されているのだが、活発にワインディングロードを駆け抜けようとした時などは、このしっかり感のある構造、そして滑りにくいテップレザー生地がちょうどいい塩梅に身体を支えてくれるのだ。

画像: ボディカラーのカーキグレーは2万4800円の有料オプションとなる。光を反射してか輝くように見えるメタリックやパールもいいが、このクルマのようなソリッドカラーは飽きのこない落ち着いた印象。

ボディカラーのカーキグレーは2万4800円の有料オプションとなる。光を反射してか輝くように見えるメタリックやパールもいいが、このクルマのようなソリッドカラーは飽きのこない落ち着いた印象。

コーナリングでの走行フィールについては前回でも軽く触れたが、ある程度のロールを許容しつつも、その先へヨレていかないねっとりとした感触は個性的で面白い。また、これまでの期間で、ブレーキングを含めたなどさまざまな状況で試してみても、タイヤが音を上げるようなシーンには出くわさなかった。

さぞかし優れたグリップ性能を持つタイヤを装着しているのだろうと思いきや、一般的にはドライグリップでノーマルタイヤに劣るとも言われているオールシーズンタイヤを装着しているのだ。銘柄を確認してみると、日本の大手カー用品店では売られていない「ブリヂストン ウェザーコントロール A005 EVO」を標準装備している。欧州で開発・生産を行われ、海外で販売されているオールシーズンタイヤだ。

Vシェイプのトレッドパターンを持つオールシーズンタイヤはロードノイズも大きくなりがちだが、C3エアクロスの静粛性能は高速道路を走っているときでも想像しているよりずっと高い。タイヤの性能という意味だけでなく、クルマとしての遮音性も高められているのであろう、比較的高い音域の「コォー」というこもらない音が聞こえてくる。

ちなみにスノーフレークマークを刻印されているので、冬季の高速道路で行われることもある冬用タイヤ規制に対応しているタイヤだ。もちろん無理は禁物。

This article is a sponsored article by
''.