「認証標識」だけで、本当に「頼りになる」と言えるのだろうか?
自動運転の実用化にも関係してくる先進運転支援システム(通称ADAS)が、急速な採用拡大を見せている。ことほどさように、自動車を巡る先進技術の進化は非常に早い。一方でそうした最先端の機能を安全、確実に利用するための適切な点検整備の体制については、まだ発展途上という印象がぬぐえないことも事実だ。
国土交通省は自動車整備に関わるさまざまな専門家とともに検討を進め、自動車整備技術の高度化への取組みを加速させてはいる。2020年からの自動車特定整備認証制度の展開、2021年からのOBD点検の義務化、2024年からのOBD車検制度開始など、これまでも着実に道筋がつけられてきた。
だが一方で、そうした変化に関する情報の浸透は、とくに一般ユーザーに対して極めて緩慢で不十分なままだ。(参考:飛び石でガラスを交換したら、愛車のADASは本当に信頼できる?だから知っておきたい「自動車特定整備制度」のこと【自動車整備に異変アリ】)
たとえば点検も車検も、行きつけのディーラーに出せば大丈夫、という考え方は、ひとつのスタンダードとして正しい。だが一方で、中古車や個人売買のクルマなどを購入した場合には、独立系の整備事業者に依頼するというユーザーは今も、けっして少なくないだろう。
ただしそんな時、その事業者が適正な作業環境で、必要な機器を正しく利用し、豊富な経験をもとに正確な故障判断と適正な対処をしてくれるかどうか、は一般のユーザーにはなかなかわかりにくい。もちろん、各地方の運輸局から発行された特定整備の「認証標識」はひとつの目安ではあるが。
グローバル基準での整備技術、作業品質、情報活用まで「認定」
そんな不安感を軽減できるメルクマールのひとつとして今後、付き合うプロショップ選びの参考にして欲しいのが、ボッシュの「ADASエキスパートショップ」認定だ。この制度は、ドイツのサプライヤーであるボッシュが、2020年から自動車整備関連の業界としては初めて、日本での展開をスタートしている。
自動車メーカーと組んで次世代自動車関連の開発に携わっているボッシュは、整備工場向けの先進的で利便性に優れた機材、ツールを提供し続けている企業でもある。同社はそうしたシステムをソリューションとして、車両の点検、メンテナンスなどを正確に行うために、整備工場の活動をトータルでサポートしてきた。
今やそのネットワークは世界150ヵ国に広がり、「ボッシュ・カー・サービス(BCS)」という形態で1万6000店を展開、2021年には100周年を迎えた。日本国内では約200店舗が認定を受け、輸入車、国産車に関わらず最新のメンテナンスサービスを提供している。
「ADASエキスパートショップ」認定店はそうしたBCSの中でも、ADASエーミングを始めとする「特定整備事業」についての専門のトレーニングを受け、ボッシュの最新機器を使いこなす正確な技術と、豊富な情報をもとにした知見を有するプロショップだ。
ただ認証を受けた、というだけでなく、ボッシュのエンジニアによる専門のサポートや、定期的な作業品質の監査などによって、信頼性は抜群に高い。さらにADASエーミング作業のエビデンスを電子カルテとしてクラウド上に保管するなど、作業内容に関しての透明性を保つ活動にも、積極的に取り組んでいる。
今後、ますますバリエーションを増していくADASの進化と合わせて、ユーザー側も愛車の性能を正しく使い続けるための情報を、積極的に把握しておくことは大切だ。ましてや高いレベルでの自動運転が実用化され始めた時に向けて、いざという時に頼りになる「かかりつけのお医者さん」的プロショップをぜひ、見つけておきたい。