広い空間や利便性などはそのままに、使い勝手の良さを向上
タントは、ダイハツのスーパーハイト系の軽ワゴンだ。初代は2003年に登場し、圧倒的な室内空間と使い勝手の良さで、スーパーハイト系という軽自動車の新ジャンルを開拓した。さらに、2007年に登場した2代目で軽自動車初のピラーインドア「ミラクルオープンドア」や、両側パワースライドドアを採用し、多くのユーザーから好評を得てきた。いまや、軽乗用車の約半分はスーパーハイト系が占めているという。
そして2019年に登場した現行型の4代目では、ダイハツの新世代クルマづくり「DNGA(ダイハツ ニュー グローバル アーキテクチャー)」を初めて採用し、「新時代のライフパートナー」として、すべての世代のユーザーにに応える良品廉価な商品として、大幅に機能を性能を進化させた。2017年には累計販売台数は200万台を突破し、現在では260万台を超えている。
今回のマイナーチェンジでは、タントカスタムがより上質で迫力のあるスタイルに進化した。エンジンフード、フロントフェンダー、ヘッドライト、フロントバンパーなどのフロントまわりを中心に、立体感と車両のワイド感を強調したエクステリアとした。
インテリアでは、ブラック基調の室内に深みのあるブルーを配色し、レザーの面積を増やしたシート表皮やメッキ加飾により、シャープで緻密な印象を演出している。また、上下2段調節式デッキボードを新採用。脚を立てると、床下の上の二段で荷物を積めて、日常の買い物からアウトドアまで幅広いシーンで活躍できる。しかも上段の状態でリアシートを前倒すると、フラットで広いラゲッジスペースが出現する。さらに、リアシートのスライド機構は荷室側からも可能なレバーが新設された。
メーカーオプションでは、音声認識とアップル カープレイのワイヤレス接続に対応した9インチのスマホ連携ディスプレイオーディオを設定。エアコンやマルチメディアなどの操作ができる音声認識機能を搭載し、HDMIソケットも追加設定して、再生できる映像の種類を拡大している。従来型同様、圧倒的な広い室内空間とミラクルオープンドアによる利便性と解放感はそのままに、快適装備を充実させて使い勝手の良さを向上している。
ボディカラーは、タントではサンドベージュメタリック、ホワイト×アイスグリーン(2トーン)、ホワイト×サンドベージュメタリック(2トーン)を新設定し、ライトなカラーで親しみのイメージを強化している。タントカスタムでは、クールバイオレットクリスタルシャインとクロムグレーメタリックを新設定し、上質な印象を強化している(いずれも一部オプション)。
走りの部分においては、DNGAの高い基本性能を継承するとともに、エンジン制御の最適化により燃費性能を向上し、WLTCモード燃費で22.7km/L(2WD/CVT/自然吸気)を実現している。安全装備ではスマートアシストを全車に搭載している。
2022年8月22日に先行受注を開始以来、すでに2万8000台の受注があるという新しいタント シリーズ(月間販売目標台数は1万2500台)。ダイハツでは、カスタムが45%、標準車が35%、そしてファンクロスが20%くらいの販売比率と見ているが、先行受注の段階でファンクロスは25%くらいに達しているという。
ダイハツ タント ラインナップ
L(0.66L NAエンジン/FF):138万6000円
L(0.66L NAエンジン/4WD):151万2500円
X(0.66L NAエンジン/FF):154万円
X(0.66L NAエンジン/4WD):166万1000円
Xターボ(0.66Lターボエンジン/FF):165万円
Xターボ(0.66Lターボエンジン/4WD):177万1000円
カスタムX(0.66L NAエンジン/FF):178万2000円
カスタムX(0.66L NAエンジン/4WD):190万3000円
カスタムRS(0.66Lターボエンジン/FF):187万円
カスタムRS(0.66Lターボエンジン/4WD):199万1000円
ダイハツ タント カスタムX(FF) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1755mm
●ホイールベース:2460mm
●車両重量:920kg
●エンジン:直3 DOHC
●総排気量:658cc
●最高出力:38kW(52ps)/6900rpm
●最大トルク:60Nm/3600rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・30L
●WLTCモード燃費:21.9km/L
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):178万2000円