2022年に日本に導入された輸入車の中で、もっとも異彩を放つ話題作と言えるのが、ジープのピックアップ トラック「グラディエーター」だ。岡本幸一郎レポーターが、あらためてジックリと乗ってきたので、その印象を紹介しよう。

「大きさ」が気にならないことに驚いた

パワートレーンは最高出力284ps、最大トルク347Nmを発生する自然吸気の3.6L V6エンジンに8速ATが組み合わされる。グラディエーターに合わせてチューニングされており、最新のソフトウエアが外気温やコーナリング、勾配、4×4ギア、牽引の状況などをもとにパフォーマンスの最適化を図ってくれる。自然吸気ならではの俊敏なレスポンスとリニアな特性により、市街地でも乗りやすい。

画像: 現在、日本仕様のラングラーでは選べない3.6LのV6 DOHCを搭載。2280kgに280psだからパワー的にも十分。

現在、日本仕様のラングラーでは選べない3.6LのV6 DOHCを搭載。2280kgに280psだからパワー的にも十分。

全長とホイールベースがこれだけ長いと、出かける場所も配慮しないといけないわけだが、いざ走り出してしまえば、思ったよりもすぐに慣れてしまい、それほど苦にならない。並のSUVよりも目線が高いので、周囲を見わたしやすい。オフロード走行中に難所に出くわしても切り抜けられるようにフロントに備えられた前向きのカメラが目の代わりになってくれて、狭い場所や駐車する際にも役に立つ。

車両重量は2280kgあるが、ステアリングは軽く、動きに重々しさもない。ホイールベースが長いのでレーンチェンジ等での動きもゆったりとしている。オフロード走行時を念頭にグラディエーターのみに与えられたFOX社製ダンパーは、舗装路を走る際の乗り心地にも寄与しているのか、いまどきのクロスオーバーSUVほどではないにせよ、思ったよりも振動が抑えられていて快適に乗れた。先進運転支援装備に車線維持系の機能はないが、車両重量の大きいクルマなのでACCが車間距離を維持してくれるだけでも高速道路はずいぶんラクだ。

「個性」というのは強ければ強いほど面白い。グラディエーターは、まさにそれを体現したクルマだ。気になるお値段は、ローンチ時の特別価格が770万円だったところ、円安の影響で、2022年10月の時点で920万円まで上がっている。興味のある人は、急いだほうが賢明かもしれない!?(文:岡本幸一郎/写真:Webモーターマガジン編集部)

画像: リアビューも堂々たるスタイリング。リアウインドーは中央の四角い部分が開閉可能だ。

リアビューも堂々たるスタイリング。リアウインドーは中央の四角い部分が開閉可能だ。

■ジープ グラディエーター ルビコン 主要諸元

●全長×全幅×全高:5600×1930×1850mm
●ホイールベース:3490mm
●車両重量:2280kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3604cc
●最高出力:209kW(284ps)/6400rpm
●最大トルク:347Nm(35.4kgm)/4100rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・83L
●タイヤサイズ:255/75R17
●車両価格(税込):920万円

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