オフローダーのテイストは、SDGsなラリーレイドに由来
1961年から1992年にかけて大きくモデルチェンジすることなく、世界屈指の生産台数を誇った伝説的大衆車が「ルノー4(カトル)」だ。フォルクスワーゲン タイプIやシトロエン2CVなどとともに、個性的で実用性にも富んだオシャレなハッチバックモデルとして、愛された。

サイドからのシルエットを見ると、高い最低地上高や引き締まったボディなどが、オフロードシーンでのタフな走りをイメージさせる。
2021年には生誕60周年を迎え、さまざまなアニバーサリー企画が催されたが、その多くはキュートな実用車としての側面にスポットを当てたものが多かった。しかし今回は、少々趣向が違う。さらに「リアル市販化」が期待される1台になりそうだ。
基本デザインは、ルノーのデザインチームが、ルノーにとってアイコンとも言えるモデルのフォルムに対してひねりを加えたものになる。一方、アレンジのテーマは、モロッコの砂漠を横断して行われたラリーレイド「4L トロフィー」に由来するようだ。
1997年から開催されたこのラリーが目的としていたのは、ボルドーやパリといったフランスの都市から、モロッコの子供たちに学用品を届けること。環境性能にもこだわりがあるルノー4Lを使って、環境保護を訴える活動の一環として催された。新しい4Lも電気自動車であり、SDGs的観点からも「先代」の主義主張を受け継いでいる可能性が高い。
今年はその25周年に当たると言うことで進められている復活計画だが、全貌が見えるのは10月17日のパリモーターショーにて。シルエットで見る限り、小ぶりなボディに大径タイヤを装備、オフロードライクなルーフキャリといったアクティブ系ビークルの新提案ということになりそうだ。

シルエットだけでは明確ではないが、フロントグリルなどにはレジェンドの香りが漂っているようだ。

2021年に60周年記念企画の一環として製作されたコンセプトモデル「ルノースイート ナンバー4」。ベースとなるルノー4Lは、30年以上にわたって100ヵ国で800万台異常を販売した。