2009年10月、スズキは東京モーターショーで新型車「キザシ」を突如発表して世界を驚かせた。小型車を得意とするスズキが強豪ひしめくプレミアムセダン市場に打って出た意欲作はどんなクルマだったのか。Motor Magazine誌ではデビュー後まもなく試乗テストを行っている。ここでは発表直後に行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年1月号より)

丁寧に造られているという印象、静粛性の高さも印象的

さて、取材車はFFだった。その運転席に座り、エンジンスタートスイッチを押す。走り出してすぐに気がついたのは、アクセル操作に対するエンジンのレスポンスの良さだ。アクセルを踏めば、それにしっかりと応えてくれるのだ。

ハンドルはしっとりとした手応えで軽すぎないため、高速道路で速度が上がっても直進性が高く安心感が高い。足まわりもよくチューニングされており、道路の継ぎ目の上を通った時も、そのショックを上手にいなしてくれる。

また、スポーティセダンらしくパドルシフトを備えている。CVTではあるが、Dレンジからシフトノブを右に倒して、マニュアルモードであるMレンジを選択した場合はもちろん、Dレンジでもパドルを操作すれば「変速」することが可能。Dレンジの場合は、一定時間パドルでの操作を行わないと自動変速モードに戻る。

静粛性の高さも印象的だった。ドアのウエザーストリップを二重シールにしたり、リアフェンダー内側の吸音材に軽量不織布を採用することなどにより、室内への騒音の侵入が抑えられているという。このあたり、フラッグシップらしさを感じさせる部分でもある。

キザシはスズキ初のDセグメントカーということで、非常に丁寧に造られているという印象を受けた。受注生産ということもあり、発注から納車までおよそ2カ月かかるという。しかし、それを待つ価値はあると思う。(文:Motor Magazine編集部/写真:玉井 充)

画像: シンプルで機能的なインテリア。オートエアコンは左右独立温度調節機能付き。

シンプルで機能的なインテリア。オートエアコンは左右独立温度調節機能付き。

スズキ キザシ FF仕様 主要諸元

●全長×全幅×全高:4650×1820×1480mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1490kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:2393cc
●最高出力:138kW(188ps)/6500rpm
●最大トルク:230Nm/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:12.6km/L
●車両価格:278万7750円(2009年当時)

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