2022年10月20~23日、WRC(世界ラリー選手権)第12戦ラリー・カタルーニャが南部の街サロウを起点に開催され、トヨタのセバスチャン・オジェが優勝。3位にカッレ・ロバンペラが入り、トヨタが最終戦を待たずに2年連続6回目のマニュファクチャラーズタイトルを確定させた。2位はヒョンデのティエリー・ヌーヴィルだった。

輝き戻ったオジェ、ようやく今季初優勝

今季は限定参戦となったオジェは、開幕戦モンテカルロで首位走行中にパンクして2位フィニッシュ、その後クロアチア、ポルトガルでも連続してパンクして好結果を残せず、ようやく先月の第12戦ニュージーランドで2位に入ったものの、史上最年少王者を決めたチームメイトのロバンペラとは大差と、不本意なシーズンを過ごしていた。

しかし、過去3勝と得意とするスペインのターマックでようやく8冠王者の本領を発揮。首位が度々入れ替わった金曜日午前を無難に走り終えると、その後のスパートで首位奪取。土曜日は新チャンピオンとなったロバンペラとの一騎打ちが注目されたが、これをまったく寄せ付けずに3連続ベストタイムで突き放し、最終日もパワーステージでベストタイム。完全制覇でラリー1時代となって初優勝、自身55勝目を飾った。

画像: 第12戦ラリー・カタルーニャの表彰台。オジェが優勝、ロバンペラが3位に入り、トヨタの2年連続6回目のマニュファクチャラーズチャンピオンが決定した。

第12戦ラリー・カタルーニャの表彰台。オジェが優勝、ロバンペラが3位に入り、トヨタの2年連続6回目のマニュファクチャラーズチャンピオンが決定した。

最終日に3連続パンクの波乱も、トヨタは難なく2年連続王座確定

日曜日午前中にはちょっとしたアクシデントもあった。まずMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーンが側溝の蓋で左フロントをパンクさせ、そのまま土手に激突、なんとかステージは走り切ったものの、後走のエルフィン・エバンス(トヨタ)とロバンペラがこのアクシデントで路上に飛び出した側溝の蓋でやはり左フロントをパンク。ヌーヴィルと2位を争っていたロバンペラはこれで3位に甘んじることになった。

それでも1、3位のトヨタはマニファクチャラーズタイトルを確定。最終戦を待たずに2年連続の戴冠を決めたトヨタのヤリ-マティ・ラトバラ監督は「チームを誇りに思う。才能のあるスタッフがひとつにまとまって勝利という目標に向かって努力した結果だ。これでリラックスした状態で日本に行ける。トヨタのホームラリーでドライバーたちには自由に戦わせたい」とラリージャパンへの抱負を語っている。

画像: 2位に入ったヒョンデのティエリー・ヌーヴィル。ヒョンデは4位、5位にも入賞したが、トヨタのタイトル決定を阻止できなかった。

2位に入ったヒョンデのティエリー・ヌーヴィル。ヒョンデは4位、5位にも入賞したが、トヨタのタイトル決定を阻止できなかった。

次戦第13戦(最終戦)ラリー・ジャパンは、11月10~13日、愛知県豊田市の豊田スタジアムを起点に、愛知・岐阜エリアで開催される。ドライバーとマニファクチャラーの2冠を獲得したトヨタにとって凱旋イベントとなる。

■2022年 WRC第12戦ラリー・カタルーニャ 結果

1位: S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h44m43.9
2位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 N ラリー1)+16.4s
3位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+34.5s
4位:O.タナック(ヒョンデ i20 N ラリー1)+44.0s
5位:D.ソルド(ヒョンデ i20 N ラリー1)+1m16.5s
6位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m51.1s
7位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m19.1s
8位:A.フルモー (フォード プーマ ラリー1)+2m38.4s
9位:C.ブリーン(フォード プーマ ラリー1)+2m43.0s
10位: P.ルーベ(フォード プーマ ラリー1)+3m25.1s

■2022年 WRCドライバーズランキング(第12戦終了時)

1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 255
2位 O.タナック(ヒョンデ)187
3位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)166
4位 E.エバンス(トヨタ)124
5位 勝田貴元(トヨタ)106
6位 S.オジェ(トヨタ)85

■2022年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第12戦終了時)

1位 トヨタ 503
2位 ヒョンデ 410
3位 Mスポーツ フォード 238

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