しばらく空席状態だった「ジープ チェロキー」のポジションに、「コマンダー」が設定された。3列シートにディーゼルターボと、ジープブランドとしてもかなり際立つ個性の持ち主だが、走り味はとても実直で操りやすいものだった。

スムーズな力感が魅力の「日本初」ディーゼルターボ

なにより新型コマンダーの走行性能で最大の見どころと言えば、コンパスには設定のない2L 直4ディーゼルターボの完成度の高さだろう。TD380という型式が与えられたこのユニットはターボユニットやフライホイールなどを改良、最高出力は170ps、最大トルクは350Nmを発生する。

画像: 意外なことに、日本のジープとしては史上初のディーゼルユニットなのだそう。けっしてスポーティな味付けではないが、低速からスムーズに加速してくれるキャラは、オフロード&実用車向けとしては最適だ。

意外なことに、日本のジープとしては史上初のディーゼルユニットなのだそう。けっしてスポーティな味付けではないが、低速からスムーズに加速してくれるキャラは、オフロード&実用車向けとしては最適だ。

コンパスに搭載される2.4L 直4マルチエアユニットと比べると最高出力は5psほど控えめだが、わずか1750rpmから発揮される最大トルクは実に、5割増し以上ものアドバンテージを持つ。車両重量は270kgほど重いけれど、WLTCモードは13.9km/Lと、コンパス(11.5km/L)に対しておよそ2割改善されている。

4輪駆動であり悪路にも強いジープ!という印象と相まってぶっといトルク感を期待してしまいそうだが、少なくとも平和に街乗りをこなしているうちは、非常に紳士的なフィーリングに終始していた。アクセルワークに対するツキも素直だし、トルクは全域でフラット。ともすれば盛り上がりに欠ける印象もあるけれど、実用エンジンとしてはとても躾けがいい。

この好印象には、精密に変速制御してくれる9速ATの恩恵もあるようだ。セレクテレインシステムやJeepアクティブドライブ、ヒルディセントコントロールといった、オフロード走行時の熟成されたサポートと相まって、ドライバーが意のままに操れるタフな走破性を楽しませてくれそうだ。

ディーゼルエンジン特有のノイズに関しては、都会派SUVとして満足できるレベルにある。恐ろしく静か!とは言えないまでも、耳障りな音質ではない。しかも回転数が上がっていっても音質そのものはあまり変わらないので、長時間のロングドライブが苦にならないように思えた。

エンジンそのものの静粛性だけでなく、ジープ独自の創意工夫による恩恵も受けているようだ。フロントガラスと前席サイドウインドーは、複層構造などによって遮音性能、断熱性能を高めることで、最大で車内に侵入する騒音を約10dB、車内温度を約10度低下させてくれるという。

それにしてもしっかり使える3列シートでフレキシブルなディーゼルエンジンを搭載し、しかも適度に趣味性にも富んでいるというのは、なかなかに貴重な存在。これまで日本市場においてはジープブランドのブランドイメージは「ラングラー」がけん引してきた観があるが、新型コマンダーは別の意味で、新たな注目を集める存在になりそうだ。

画像: 運転支援機能も最新。車線逸脱を能動的なハンドル操作で防止してくれる機能を組み合わせたアダプティブクルーズコントロール「ハイウェイアシストシステム」を標準装備する。

運転支援機能も最新。車線逸脱を能動的なハンドル操作で防止してくれる機能を組み合わせたアダプティブクルーズコントロール「ハイウェイアシストシステム」を標準装備する。

■ジープ コマンダー リミテッド 主要諸元

●全長×全幅×全高:4770×1860×1730mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:1870kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼル+ターボ
●総排気量:1956cc
●最高出力:125kW(170ps)/3750rpm
●最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1750-2500rpm
●トランスミッション:電子制御9速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料・タンク容量:軽油・60L
●WLTCモード燃費:13.9km/L
●タイヤサイズ:235/55R18
●車両価格(税込):597万円

This article is a sponsored article by
''.