「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、シトロエン DS5だ。

シトロエン DS5(2011年:ニューモデル)

シトロエンのDSシリーズ第三弾は、2011年4月の上海モーターショーでワールドプレミアされたクロスオーバービークルの「DS5」だ。ワゴンでもミニバンでもない、独特のスタイリングは日本でも注目を浴びそうだ。

独創的なモデルを多く輩出してきたシトロエンが、さらなる革新を呼び起こす新ラインが、DSシリーズだ。第三弾のDS5は現時点(編集部註:2011年現在)でDSシリーズのトップレンジとして、2012年夏ごろには日本にも導入される予定だ。(編集部註:2012年8月に日本導入)

画像: 2005年のフランクフルト モーターショーでデビューしたコンセプトカー「C-スポーツラウンジ」がDS5のベースだ。

2005年のフランクフルト モーターショーでデビューしたコンセプトカー「C-スポーツラウンジ」がDS5のベースだ。

試乗会の地、南仏ニースで対面するしたDS5は、ハッとするほどの魅力を感じた。見たことのない曲面、プレスライン、ガラス形状などが散りばめられた斬新なデザインはDS5のキモとなる要素で、それはバイエルン最高の雄牛の革を使うインテリアなどにも、こだわりを感じさせる。

プラットフォームは、DS4用のプラットフォーム2をストレッチした専用設計で、プラットフォーム3を使うC5よりも全長が265mmほど短い。だからDS5には、シトロエンの代名詞とも言えるサスペンション、ハイドラクティブIIIは採用されていないのだが、DS5が目指したものは既存のメカニズムにあぐらをかかず、果敢に新たなシトロエンらしさを創造することにあると感じられた。

それは、今回採用されたパワートレーンにも表れている。プレミアムと言えば当然V6と思いきや、200psと155psの2種類がある1.6Lのガソリンエンジンも、2.0Lのディーゼルハイブリッドも、すべて直4。そして6速ATと6速MTをガソリン車に、ディーゼルハイブリッドには2ペダルMTのEGSを与え、各キャラクターの最適化を徹底している。

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