「デリカ D:1」ではなく「デリカミニ」となった理由は
コロナ禍などの影響もあり、自動車の販売台数は伸び悩んでいるが、軽乗用車は相変わらず好調だ。中でも、スーパーハイトワゴンと呼ばれる、全高が1701mm以上でスライドドアを持つカテゴリーは、軽乗用車全体の4割以上を占めており、今後も年間約60万台で推移すると見込まれている。
スーパーハイトワゴンは、いわゆる標準モデルにカスタム系の2モデルをラインナップするものが多く、三菱もeKスペースとeKクロス スペースをラインナップしていた。だが、スズキがスペーシアギアやスペーシアBASE、ダイハツがタント ファンクロスといった、アウトドア系の新たなモデルを投入し、人気を集めている。
そこで三菱も今後のマーケット拡大を予想し、eKクロス スペースをベースに、アウトドア系に三菱らしい走りを付加した「デリカミニ」を投入するというわけだ。なお、今回の発表ではエクステリアが公開されたのみで、インテリアやパワートレーンなどは公表されていない。
デリカといえば、2023年には初代が登場してから55周年を迎える、三菱の中核モデルだ。トラックから始まったが、スターワゴンやスペースギアなどといったモデルが人気を呼び、現行型は「デリカ D:5」として、4WDも備えてアウトドアテイストを高めたミニバンとなっている。
だが、軽スーパーハイトワゴンの購入層であるヤングファミリーには、デリカは少し遠い存在だった。そこで、デリカを身近なクルマに感じてもらうために、親しみやすいデリカミニの登場となった。
デリカ「ミニ」というと、かつての名車「パジェロミニ」を彷彿とする人もいるだろう。また、デリカのファミリーにはD:3やD:2もラインナップされていることから、「デリカ D:1」という車名も検討されたそうだが、パジェロミニとのイメージのつながりや、より身近な存在を目指して、デリカミニという車名になったという。