プレミアムSUV「ジープ グランドチェロキー L」のラインナップに、新たに2列仕様の「グランドチェロキー」が追加された。短い全長×ショートホイールベースで取り回しのしやすさを売りとしているが、3.6L V6から2L直4ターボへのダウンサイジングにはやはり少々不安が残る。新世代ジープブランドのフラッグシップに加わった新たな「スタンダード」の価値を、チェックしてみた。

スタンダードでもフラッグシップとしての価値は十分

「L」に比べれば全長で約300mm、ホイールベースで約125mmも短縮されているとはいえ、5m近い全長と2m近い全幅、1.8mを超える全高を持つ新型グランドチェロキーのフォルムは、十分に力強い。

画像: 日本には導入されていない「ジープ ワゴニア」のテイストを強く感じさせるリアビュー。2列仕様ということで、より引き締まった印象が感じられる。

日本には導入されていない「ジープ ワゴニア」のテイストを強く感じさせるリアビュー。2列仕様ということで、より引き締まった印象が感じられる。

ジープ・ワゴニアにインスピレーションを得たという顔だちは変わらず、端正でありながら野性味をまとう。標準仕様と言いつつも、しっかりフラッグシップとしての重厚感をともなう威厳は保たれていると思う。

一方で、走り出しから「大きさ」や「重さ」に起因するフリクションやストレスを感じることはない。軽やか、とは言えないまでも十分力強くスムーズに加速してくれる。街中だけでなく、首都高速道路に乗ってからも力感が衰えず排気量や気筒数の差を意識することはまったくなかった。

インターフェイス系は横方向の豊かな広がり感とあいまって適度に「贅沢なボリューム感」を演出している。それでも高めかつ広い運転視界と相まって、取り回しに神経を使うことがほとんどない。素直なステアフィールと相まって終始、リラックスして走らせることができた。

気になったと言えば、路面のうねりやわだちに対するタイヤの反応が、やや敏感に思えたことだろうか。装着されていたのは265/60R18のブリヂストン デューラーH/P Sportということで、比較的スポーティなキャラクターが立ってしまっていたのかもしれない。

実は今回追加された「標準仕様」には、2L直4ターボユニットに」前後1基ずつの電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデル「4xe」もラインナップされている。モーターなしでも十分な動力性能を発揮しているだけに、そこに前63ps/54Nm+後145ps/255Nmの「ゆとり」がプラスされた時のポテンシャルはおそらく強烈なものになるだろう。

新型グランドチェロキーは、本当の意味で「スタンダード」なモデルでも十分魅力的だった。おかげで「4xe=プラグインハイブリッド」に対する期待値が一気に高まってしまったのは、仕方のないことだろう。(写真:井上雅行)

画像: 都会派のプレミアムSUVらしくスタイリッシュで機能性にも富んだインターフェイス。ロータリー式シフトは、ギアが切り替わったことを指先にも伝えるフィードバック機能を備えている。

都会派のプレミアムSUVらしくスタイリッシュで機能性にも富んだインターフェイス。ロータリー式シフトは、ギアが切り替わったことを指先にも伝えるフィードバック機能を備えている。

■ジープ グランドチェロキー リミテッド  主要諸元

●全長×全幅×全高:4900×1980×1810mm
●ホイールベース:2965mm
●車両重量:2070kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1955cc
●最高出力:200kW(272ps)/5250rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3000rpm
●トランスミッション:電子制御8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・87L
●WLTCモード燃費:- km/L
●タイヤサイズ:265/60R18
●車両価格(税込):892万円

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