「オリジナルMINI」由来の独創性は、BEVとの親和性が高い
MINIは、1959年にそのオリジナルが登場した時代から常に独創的であった。既成概念にとらわれず、目的を達成するための最適解を模索してそれを実現してきた。それゆえ、さまざまな問題に敏感な人々がMINIのアイデンティティに共感し、その意識を発信するための素材として活用されるなど、数多くのコラボレーションがこれまで行われてきた。
英国を代表するファッションデザイナーであるポール・スミス氏は、1998年にMINIの特別仕様車「ポール・スミスエディション」を手がけるなど、そもそもMINIとの関係は深い。そのポール・スミス氏が今回、MINIとともに「自動車製造における持続可能性」という目標を掲げ、革新的なアプローチでそれを表現するということに挑んだ。
その結果として誕生したのが2台のBEV、どちらも完全なワンオフカーであるが、クラシックMINIをベースにした「MINI Recharded(リチャージド)」、現行モデルを素材とする「MINI STRIP(ストリップ)」である。
日本市場への本格導入は2024年。課題の克服が進む
その2モデルが10月7日〜12日、東京・表参道にある「BA-TSU ART GALLERY(バツ アートギャラリー)」で一般公開された。その公開に先立ち、ポール・スミス氏とMINIデザイン部門責任者のオリバー・ハイルマー氏によるトークセッションが同会場で行われたのだが、その中で興味深かったのが「現在の若い世代のユーザーはBEVに興味がある」という調査結果である。
そして、サスティナビリティとかSDGsなどといった、いわゆるこれからの時代を生き抜くために必要な取り組みをどれぐらい実践しているのかということが、積極的に選ばれるブランドには重要であるということである。
そのトークセッションの後に、日本国内でのMINIブランドの取り組みについて、MINIディビジョン営業部長の山口智之氏から最新インフォメーションが伝えられた。それによれば、日本でMINIのBEVが登場するのは2024年の予定であり、それまで十分な準備期間があるのでさまざまな課題への対処が可能だという内容であった。また23年3月2日(MINIの日)には、さらに詳細な情報を公開する予定というアナウンスも行われた。
かねてよりMINIの電動化については多くのインフォメーションが伝えられてきたが、いよいよ日本でも具体的な形として動き出すわけで、実に興味深い。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)