2023年にはF1の勇者フェルナンド・アロンソがチームメートに
2021年、およそ61年ぶりにF1レースの世界にコンストラクターとして戻ってきたアストンマーテン。22年のチーム名は「アストンマーティン・アラムコ・コグニザントF1チーム」となり、監督とも言われるチーム代表(チームプリンシパル)にはマイク・クラック氏が就任する体制となった。
10月9日に鈴鹿サーキットでF1日本グランプリが開催されたがその直前の5日に、クラック氏のメディアセッションが東京・青山のアストンマーティン青山ハウスで開催された。
クラック氏のキャリアは、2001年にBMWザウバーF1チームにモータースポーツエンジニアとして参加することから始まった。その後、ポルシェでWEC(世界耐久選手権)を担当し、さらにBMWでモータースポーツ部門のトップとして経験を積み重ねてきた後に、アストンマーティンに移籍したというものである。
「ベッテルのデビュー戦と引退戦に立ち会うことになりました」
インタビュー内容は多岐にわたったが、印象的だったものを以下に挙げておきたい。
「かつてのF1と現在のF1は、すべてが異なっています。規模が大きくなり、分野ごとに専門家チームがあります」
「 アストンマーティンではF1だけに専念できます。BMWでは多くの参戦カテゴリーがあり、その予算の分配や優先順序をつけなくてはいけませんでした」
「2022年から空力に関するレギュレーションが変更され、より先行車に近づけるようになりました。テイクオーバーが容易になり、観客の皆さんに競い合う姿をより楽しんでもらえると思います」
「F1は5年間のプロジェクトとして考えています。マシンのパフォーマンスは確実に進化しているので高速サーキットの鈴鹿でも是非ポイントを稼ぎたいです」
「今年でF1レースからの引退を決めているチームドライバーのセバスチャン・ベッテルが最初にF1へ参戦した時、私はBMWザウバーチームでそこにいました。そして彼の最後のレースにもアストンマーティンで立ち会うこととなると思います。来シーズンは、彼の後任としてフェルナンド・アロンソが入ります。若手ドライバーのランス・ストロールとともに、彼の豊富な経験と競争力を生かしてくれるだろうと安心しています」
そして日本GPでは、波乱に満ちたレースでベッテルが見事に6位入賞を果たしポイントを獲得(ストロールは12位)。期待に沿う結果を出して見せたのだ。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:アストンマーティンジャパン)