そしてタイプRを知り尽くしたホンダアクセスだからこそ、開発することができたデバイスである。(Motor Magazine2022年12月号より)
カーボン素材の採用で軽量化。そして秘密は裏側にあった
そもそもシビックタイプRは、とてもスポーティである。これまでもニュルブルクリンクでFF最速タイムに挑戦し、レコードを記録しているほどだ。そしてそのパフォーマンスを熟知しているのが、純正アクセサリーを開発、リリースするホンダアクセスではないだろうか。そんなシビック タイプRが、さらに上質でスポーテイな走りに変化するパーツがあるという。百聞は一見にしかず。実際に運転して感じてみたい。
試乗は、群馬サイクルスポーツセンター。それだけで自信の程がよくわかる。まずは標準のシビックタイプRで走り、その後、ホンダアクセスが開発したカーボン製テールゲートスポイラーを装着して比較試乗するというものだ。
まずは、標準のリアスポイラー装着でコースイン。相変わらずシビックタイプRのMTの操作感は、気持ちいい。自分の選んだギアで走る愉しさが味わえる。ただし今回は脇役、シビックタイプRの試
乗記は、モーターマガジン12月号92ページからで河村氏が書いているのでそちらに譲りたい。
次にホンダアクセス純正アクセサリー、テールゲートスポイラーを装着して同コースを走った。ちなみにホンダでは、リアスポイラーという製品名で、その下のアルミ製ステーは、そのまま使用し、リアスポイラー部のみ変更する。
思いどおり走れることが、運転する愉しさにつながっているのである
さて走りの印象に戻る。速度を少しずつ乗せていきながらコースを走っていると先ほどより安定感が増している。コーナリング時もロールが減りクルマの重心が低くなっているようだ。まるで足まわりのセッティングを変えたような走りに変わっている。その方向性は「上質な走り」と表現できる。
しかし変えたのは、テールゲートスポイラーだけだ。これだけで「キャラ変」ができるのがとても不思議だ。クルマにとっていかに空力が重要なのかを改めて思い知らされた。クルマとの一体感が強くなり、手足のように動かせるので運転が上手くなったような感覚になる。そして思いどおり走れることは、運転することの愉しさに繋がっているのである。
この効果をもたらすテールゲートスポイラーは、裏側に大きな秘密があった。そこに装着されているシェブロン形状である。それが空気の流れを整えてこの効果を生み出しているのだ。この空力効果をホンダアクセスでは「実効空力」と呼んでいるが、この開発には、実際に走り込んで造り込むの繰り返しで作り上げている。
ホンダ車を知り尽くしたホンダアクセスがシビックタイプR専用に開発しているというところがオーナーにはたまらないだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)
■シビックタイプR 純正アクセサリー(取材車装着リスト)
■エクステリア
テールゲートスポイラー(カーボン)27万5000 円、ドアミラーカバー
1万5400 円、ライセンスフレーム9900 円、パドルライト2万2000 円、プ
ロテクションフィルムセット7150 円、リアバンパープロテクションフィル
ム3850 円、ユーロホーン8800 円
■インテリア
インテリアパネル(カーボン)[センターコンソール部パネル4万7300 円、
ドアパネル部5万6100 円]、シフトノブ2万0350 円、サイドステップガーニッ
シュ3万0800 円、パターンプロジェクター3万8500 円、LED テールゲート
ライト1万1000 円、ワイヤレス充電器3万0800 円、フロアカーペットマット
プレミアムタイプ6万6000 円
■車両価格
499万7300 円+装着アクセサリー合計価格64万2950 円= 564万0250 円