チェロキーの後継を担うモデル
2010年まで「ジープ コマンダー」という3列シートSUVが販売されていた。全長4795mm×全幅1900mmの堂々したスクエアなボディに、4.7L V8 SOHC、または5.7L V8 HEMIを搭載。ボディサイズもエンジンもいかにも「アメ車」だった。
一方、このほど日本に上陸した「新型」コマンダーは、全長4770mm×全幅1860mmと日本でも使いやすいサイズとなり、エンジンは2L直4ディーゼルターボを搭載。燃費は13.9km/L(WLTCモ
ード)と現代的かつ日本のユーザーにもマッチする7シーターSUVに生まれ変わった。
また、販売を終えたチェロキーの後継モデルとしての役割も担う重要なモデルでもある。そんなコマンダーの走りと使い勝手はどうだろうか。
1750rpmで最大トルクを発生するディーゼルエンジンは、2255kgもある車体を苦もなく加速させる。今回は市街地を少しと高速道路をメインに試乗したが、いずれのシーンでも過不足はない。アクセルペダルの操作に対し素直に反応し動きも軽やかで、オンロード志向の都会派SUV寄りの走りだ。ただし、高速道路走行時は(エンジン音ではない)車外からの騒音の侵入が少し気になるシーンもあった。
ゆとりある頭上空間。レザーなど、素材の質感も高い
インテリアのしつらえは不満のないレベルだ。皮革素材をふんだんに使ったトリムやシートの質感も良い。
コマンダーのハイライトである3列目シートへは、2列目シート横のレバーを操作するとシートバックが折りたたまれ、座面ごとタンブルすることでアクセスできる。座ってみると足元はやや狭めだが、頭上空間は十分な余裕がある。これはリアガラスを大きく寝かせていないボディ形状のおかげだろう。
荷室は2列目と3列目の背もたれを倒すと、完全ではないがほぼフラットになるので、工夫次第で車中泊もできるはずだ。
このサイズの3列シートSUVは日本では「激戦」の人気ジャンルだが、コマンダーは健闘できるか、要注目だ。(文:Motor Magazine編集部 小泉優太/写真:井上雅行)
ジープ コマンダー主要諸元
●全長×全幅×全高:4770×1860×1730mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:2255kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1956cc
●最高出力:125kW(170ps)/3750rpm
●最大トルク:350Nm/1750-2500rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・60L
●WLTCモード燃費:00.0km/L
●タイヤサイズ:235/55R18
●車両価格(税込):597万円