いま日本国内で購入できるBEV（電気自動車）の中から、もっとも魅力的なクルマを決める「BEVオブ・ザ・イヤー 2022」を開催。本誌お馴染みの執筆陣+編集長が採点。No.1を決定する。今回は第4位に選ばれたBMW iXと第5位のメルセデスEQ EQSへの「称賛コメント」をお伝えしよう。（Motor Magazine 2023年1月号より）
第4位 BMW iX：BEVのポテンシャルを最大限に味わえる
石井昌道さん（1位）：NEXTという次世代を意識したコンセプトカーの市販バージョンだけあって静粛性や快適性などBEVのポテンシャルを徹底して引き出している。現時点ではもっともハイクオリティなBEVといえるだろう。
岡本幸一郎さん（1位）：とにかくすべてが印象的な1台。インテリアも斬新なデザインで、インフォテインメント系もまったく新しい。そんな既存のBMW車とは一線を画する、新しい世界観を表現していながらも、鮮烈な走りは新しい“駆けぬける歓び”に満ちていた。とくにMモデル「M60」の極めて扱いやすいながらも刺激的な走りには感激。著名な映画作曲家が手がけた「アイコニック・サウンド・エレクトリック」による、サウンドの演出も面白い。
清水和夫さん（3位）：渾身の情熱を注いで開発されたBMWのBEVのトップランナー。実際に首都高速を走ると、荒れた路面に絨毯が敷かれたようなマイルドな乗り心地に驚いた。BMWはこのiXから同社の新しい走りの哲学を切り開くと述べていることも注目だ。従来は「駆けぬける歓び」であったが、これからはアルティメイトカー（究極の高級車）と呼ばれるかもしれない。
佐藤久実さん（4位）：BMWの電動化ブランドである「i」はi3をはじめとして以前から存在するが、iXは、単に動力源が内燃機関からモーターに変わったということだけでなく、電動化によりクルマそのものが新たなフェーズを迎えているということを提案したモデルだ。メルセデス以上に、従来のブランドイメージにこだわらない新しい提案、機能が詰め込まれたクルマとなっている。
BMW iX。ハンドルの形状やアームレストの先端に設けられたシフトパネルまで斬新。
