2023年1月14日、ついにフォーミュラEのシーズン9が開幕する。今シーズンは新シャシの導入やレギュレーションの新たな試み、魅力的なメーカーの新規参入など話題豊富だ。はたして2023年シーズンはどんな戦いが繰り広げられるのか。この開幕を前に全5回にわたり前シーズンからの変更点や注目ポイントをチェックする。本記事は第4回目。
2023シーズンから4年間、ワンメイクサプライヤーとしてタイヤを独占供給
大きな変革の年である2023年の目玉は新しいマシン「Gen3」の導入だが、もうひとつ大きな変化がある。それはタイヤサプライヤーがミシュランからハンコックタイヤに変更されたことだ。
2014年のファーストシーズンからずっとフォーシュラEの足元を支えてきたのはミシュランだった。しかしFIA世界モータースポーツ評議会の承認を得たハンコックタイヤが2023年度から4年間タイヤ、そしてテクノロジーパートナーとしてフォーミュラEマシンを支えることになった。
![画像: レース後にリサイクルできる「iON」はフォーミュラEのビジョンに寄り添ったタイヤだ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/12/25/e631a49bfcc0409d33bcb38ecf8d4052ba7e5cf5.jpg)
レース後にリサイクルできる「iON」はフォーミュラEのビジョンに寄り添ったタイヤだ。
近年はDTM(ドイツツーリングカー選手権)やWシリーズ(女性ドライバーに限定したフォーミュラカーレース)などでタイヤサプライヤーを務めていたハンコックだが、EVの商用化以前から続けてきた技術開発のノウハウを活かし、FIAとともに性能はもちろんのこと、エコ素材の適用、転がり抵抗の低減など、フォーミュラEが要求する厳格な条件を満たすEVレーシングタイヤ「iON」を開発した。
「iON」は2023年から導入され、これまでのGen2から飛躍的な進化を遂げたGen3に特化した専用設計のタイヤである。驚くことにこの「iON」を構成する素材のうちサスティナブルな材料が30%近くを占めており、また使用後はすべてのタイヤがリサイクルできると言われている。フォーミュラEの目指しているエコレースの価値、ビジョンに相応しいタイヤではないだろうか。
![画像: バレンシアテストではウエット路面でも走行が重ねられた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2022/12/25/8ac9d6a61eaa41e482828cc21d1b1ec57aa9123c.jpg)
バレンシアテストではウエット路面でも走行が重ねられた。