トータルバランスを高めてさらなる「史上最高」へ
2007年に誕生したR35型NISSAN GT-Rはこれまで、究極のドライビングプレジャーを追求することを目指し、常に進化と深化を続けてきた。当初480psでスタートした最高出力はスタンダード仕様でも570psに達し、最大トルクも588Nmから637Nmへと引き上げられている。スタイルについても基本デザインは変えることなく、空力性能と時代が求める「カッコ良さ」を磨き抜いてきた。
今回、東京オートサロンで事前公開された2024年モデルは、そんなGT-Rの進化の歴史においても、ひとつのエポックメイキングとなりうるかもしれない。「速さだけではなく、洗練された乗り味も追求し、トータルバランスを高次元まで求めました」と謳われるパフォーマンスの向上はもちろんだが、デザインロジックにも新たな時代の息吹を強く漂わせている。
パワースペックそのものは、従来型が維持されている。だが走行時の不要なノイズと振動を低減するとともんい「綿密に調律された感性に響くサウンド」を実現するなど、エモーショナルな魅力を追求しながら快適性にも配慮しているという。
また、時代を牽引するクルマであり続ける「Trend Maker」&しっかりと地面を捉え駆動する車両「Traction Master」の頭文字から命名された「T-spec」仕様も2タイプを設定。特別仕様車「NISSAN GT-R Premium edition T-spec」では、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキなどを採用して、意のままに走らせる悦びを追求しながら、さらに洗練された走りを実現している。
「NISMO」は、インパクトたっぷりの専用RECAROを採用
一方、専用チューニングによって最高出力600ps、最大トルク652Nmを発生する「NISSAN GT-R NISMO」は、さらなるレーシングテクノロジーでGT-R史上最高のパフォーマンスを発揮している。ボディ回りでは空力性能を磨き込むとともに、サスペンションチューニングを見直し、フロントメカニカルLSDを追加採用、コーナリング性能も向上しているという。
インテリアで目を奪われるのが、一新された「専用RECARO製カーボンバックバケットシート」だろう。デザイン的なインパクトもさることながら車両との一体感、快適性についてもグレードアップが図られている。
さらにピュアでビビッドな感性性能を求めるなら、ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに高精度重量バランスエンジン部品を採用した「NISSAN GT-R NISMO Special edition」を選ぶこともできる。クリヤー塗装を施したNISMO専用カーボン製エンジンフード(NACAダクト付)など、ルックスもさりげなく特別だ。
2024年型「NISSAN GT-R」の正式発表・発売は、今春が予定されている(GT-R NISMOのみ今夏)。注文受付方法についてはその際に明らかになるが、今回もあっという間に完売することは間違いないだろう。
■「NISSAN GT-R」2024年モデル ラインナップ
◎VR38DETT(スタンダード仕様:最高出力419kW(570ps)/6800rpm・最大トルク:637Nm/3300-5800rpm)
・GT-R Pure edition
・GT-R Black edition
・GT-R Premium edition
・GT-R Premium edition T-spec
・GT-R Track edition engineered by NISMO
・GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec
◎VR38DETT(NISMO専用チューニング:最高出力441kW(600ps)/6800rpm・最大トルク:652Nm/3600-5600rpm)
・GT-R NISMO
・GT-R NISMO Special edition