「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ SLK55AMGとC63AMG ブラックシリーズだ。

メルセデス・ベンツ C63AMGクーペ ブラックシリーズ(2011年:車種追加)

画像: サーキット走行が楽しいC63AMGクーペ ブラックシリーズだが、思ったより乗り味はハードではない。

サーキット走行が楽しいC63AMGクーペ ブラックシリーズだが、思ったより乗り味はハードではない。

さて、東京モーターショー(編集部註:2011年)にも展示された限定生産のC63AMGクーペ ブラックシリーズでラグナセカのレースコースを走る。ワイドなフェンダーやリアのGTウイングなど、スポーティな専用アイテムがAMGらしく迫力を増幅している。日本への割り当ては限定50台で、販売価格は1500万円だ。

ドアを開けると、前席にのみバケットシートが備え付けられる。基本は2シーターで後席は廃されている。搭載されるエンジンは、SLSのパーツを多用した自然吸気の6.3L V8。ベースとなるC63AMGクーペよりもパワフルな、最高出力517ps/最大トルク620Nmという強烈なパワースペックを発揮する。

0→100km/h加速は、なんと4.2秒! トルクコンバータを排して湿式多板クラッチとATとを組み合わせた7速のスピードシフトMCTは、シフトチェンジが素早く、しかも心地よく決まる。

サスペンションは、サーキット走行では意外とソフト目でよく動く。ESCを「スポーツ」にセットすれば、若干のドリフト走行も楽しめる。サーキット専用モデルと考えてしまいそうだが、街中でも思ったより乗りやすかった。しかも、注目度はナンバーワンだろう。

メルセデス・ベンツ C63AMGクーペ ブラックシリーズ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4764×1997×1388mm
●ホイールベース:2765mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:V8・4バルブDOHC
●総排気量:6208cc
●最高出力:380kW(517ps)/6800rpm
●最大トルク:620Nm(63.2kgm)/5200rpm
●トランスミッション:7速スピードシフトMCT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・66L
●NEDC総合燃費:11.9km/L
●タイヤサイズ:255/35R19
●当時の車両価格:1500万円

画像: トランク上にそびえるリアウイングやアグレッシブなエアロパーツを装着した姿は、メルセデスのカタログモデルとは思えない?

トランク上にそびえるリアウイングやアグレッシブなエアロパーツを装着した姿は、メルセデスのカタログモデルとは思えない?

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