「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ SLK55AMGとC63AMG ブラックシリーズだ。

メルセデス・ベンツ SLK55AMG(2011年:車種追加)

メルセデスのスーパーバージョン、AMGからまた魅力的なモデルが2台登場した。SLK55AMGとC63AMG ブラックシリーズだ。SLK55AMGでサンフランシスコの市街地を抜け、コークスクリューで有名なラグナセカ・レースウェイまで半日たっぷり走り、そこでC63AMGクーペ ブラックシリーズを試乗した。

画像: ノーマルのSLKよりエアロパーツなどでドレスアップされているが、リアビューはけっこうおとなしめだ。

ノーマルのSLKよりエアロパーツなどでドレスアップされているが、リアビューはけっこうおとなしめだ。

まず、SLK55AMGのハイライトは、もちろんエンジンだ。自然吸気の5.5L V8は従来からある5.5LのV8ツインターボをベースに開発したもので、422psと540Nmを発生。0→100km/h加速は4.6秒と、AMGマニアを唸らせるに十分なスペック。注目なのは、さらに先進的な技術が盛り込まれていること。それは、環境そしてエコへの配慮だ。

200バールの燃料噴射圧でクリーンディーゼルにも使うピエゾインジェクターを採用したガソリン直噴ユニットや、軽量化のため100%アルミ製のクランクケースを採用。さらにシリンダーシャットオフ機構と呼ばれる気筒休止システムも採用した。これは低負荷時にV8のうち4つのシリンダーを停止させて省燃費を目指す。システムそのものは他社にも存在したが、AMGでは停止している気筒の吸排気バルブまで完全に閉じて、停止している気筒の抵抗損失を低減している。

じつはこのテクノロジーはF1からフィードバックされたもので、F1マシンはピットインやセーフティカー出動時、そして低速コーナリング時にV8エンジンの2または4気筒を停止しているのだという。他にアイドリングストップシステムも加わり、燃費は約11.9km/L。またCO2排出量も195g/kmに抑えられている。これらは先代モデルに比べて約30%の軽減というから、これからはスーパースポーツもエコを追求しなくては生き残れない、という世の中の常識が見えてくる。

メタルトップをオープンにしてカリフォルニアの海を眺めながらのドライブは素晴らしい。そして、サスペンションはやはりAMGらしく締まっているが、カドがなく高級な乗り心地。シリンダーシャットオフが作動すると排気音が変化するのですぐにわかるが、これは左右のリアサイレンサーにフラップを設け約2000rpmを境に開閉させ、聴覚的にも異なる2つのエンジン特性を強調している。

メルセデス・ベンツ SLK55AMG 主要諸元

●全長×全幅×全高:4146×1817×1300mm
●ホイールベース:2430mm
●車両重量:1610kg
●エンジン:V8・4バルブDOHC
●総排気量:5461cc
●最高出力:310kW(422ps)/6800rpm
●最大トルク:540Nm(55.1kgm)/4500rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●NEDC総合燃費:11.9km/L
●タイヤサイズ:235/40R18
●当時の車両価格:1090万円

画像: カーボンパネルやセンターダッシュ上の時計などで、ノーマルのSLKよりもインテリアは上級化されている。

カーボンパネルやセンターダッシュ上の時計などで、ノーマルのSLKよりもインテリアは上級化されている。

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