2013年2月14日(現地時間)、スクーデリア・フェラーリは2023年の新型F1マシン「SF-23」を発表した。「SF-23」は3月5日に開幕戦を迎えるF1グランプリを戦うためのニューマシンで、その発表会はイタリア・マラネロで行われ、その隣にあるフィオラノ・サーキットでシェイクダウンの模様も披露された。

堂々とニューマシンの詳細を公開

昨年のフェラーリは、シーズン序盤ライバル勢を圧倒するパフォーマンスを見せてファンを歓喜させたが、戦略のミスやマシントラブルに見舞われてレッドブルに逆転を許してしまった。今シーズンは取り逃したタイトルを奪還するために、マッティア・ビノット代表にかわって、これまでアルファロメオF1のチーム代表を務めていたフレデリック・バスールを起用。シャシエリア責任者のエンリコ・カーディル、パワーユニットエリア責任者のエンリコ・グアルティエリという新体制で2023年シーズンにのぞむことになった。

画像: フェラーリF1ニューマシン「SF-23」はイタリア・マラネロ、フィオラノ・サーキットで披露された。フェラーリは新しいチーム体制で2023年シーズンに挑む。

フェラーリF1ニューマシン「SF-23」はイタリア・マラネロ、フィオラノ・サーキットで披露された。フェラーリは新しいチーム体制で2023年シーズンに挑む。

ドライバーの体制は、昨年序盤に快進撃を見せたシャルル・ルクレールと、昨年のイギリスGPでポールトゥウインを飾ったカルロス・サインツのふたりで変わらない。

今回の発表会での注目ポイントは、実際にニューマシンを公開して、ファン500名を招待してシェイクダウンまで披露したこと。ニューマシン「SF-23」は昨年型の進化版と思われるが、フロントノーズやフロントウイング、サイドポンツーンの形状に変化がうかがえる。そして、このところ多くのチームがニューモデル発表会ではその詳細を明らかにしない中、フェラーリはそのスペックまで公表している。

■フェラーリSF-23

パワーユニット型式:066/10
エンジン型式:90度V6 4バルブシングルターボチャージャー
エンジン排気量:1600cc
ボア×ストローク:80×53 mm
インジェクション最大圧:500 bar
最大燃料搭載量:110 kg
ハイブリッド用バッテリー:リチウムイオン
バッテリー重量:20 kg+
MGU-K最大出力: 120 kW (163cv)
MGU-K最高回転数 : 50,000rpm
MGU-H最高回転数: 125,000rpm
シャシ:ハニカムカーボンファイバーコンポジット
ブレーキ:ブレンボ製カーボンディスク
サスペンション:前プッシュロッド、後プルロッド

ボディカラーはフェラーリデザインが作成した新しいレッドで、昨年よりも明るい色調になっている。マシンではこれにネイキッド カーボンのブラックを組み合わせ、リアウイングには歴史的な「フェラーリ」ロゴが配される。このカラーリングフォーマットはレーシングスーツやチームウェアでも使われる。

より多くの勝利をあげ、タイトル獲得に向けて前進する

フィオラノ・サーキットで行われたシェイクダウンでは、ルクレールとサインツのふたりがステアリングを握ったが、ふたりのドライバーのどちらが最初にマシンに乗り込むかコイントスで決定する場面もあった。このコイントスではルクレールが勝利して最初のにSF23をドライブしたが、ふたりのドライバーがともにエースとして対等であることを印象づけた。

画像: 発表後には、早速フィオラノ・サーキットでシェイクダウンが行われた。

発表後には、早速フィオラノ・サーキットでシェイクダウンが行われた。

ふたりのドライバーは走行後、「フィオラノでニューマシンをドライブできたことは素晴らしい気分でした。 今シーズンの目標は、昨シーズンよりも良い成績を収め、より多くの勝利をあげることです。 最大の目標はチャンピオンシップに勝つことであり、これを達成するためにあらゆることを行います」(ルクレール)、「ティフォシの前で車を発表する機会を得られたことは素晴らしいことです。 マシンはチーム全員の情熱とハードワークの結晶であり、確実に次のステップに進んでいます。 バーレーンでコースに出て、この新しいシーズンを始めるのが待ちきれません!」(サインツ)とコメント。

チームプリンシパルのフレデリック・バスールは「マシンの外観には非常に満足しています。 赤い色とリア ウィングにまたがる「フェラーリ」のロゴが大好きで、私たちの伝統を思い出させてくれます。 私たちの焦点はすぐに速さとパフォーマンスに移ります。私たちはチャンピオンシップに勝つために、正しい考え方を身につけ、より良いものになるよう常に努力しなければなりません」とコメントしている。

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