漫画『みのりの大地』の開始で、さらにフィギュアが身近な存在に
──『みのり with ホンダ 耕耘機F90』の世界観から、漫画『みのりの大地』も生まれて、これも話題となりました。
高久氏 「それはホンダパワープロダクツの特設ウェブサイトで連載されたもので、ホンダが企画したものです。『みのり with ホンダ 耕耘機F90』の世界観をもとに、漫画家のばどみゅーみんさんが書き下ろした作品で、主人公であるみのりが農業に目覚め、舞台となった鳥取県倉吉市の名産品スイカの生産に挑戦するという物語です。コミック化し、言葉も他国語化することで、世界中の人々に耕耘機をはじめとしたホンダのパワープロダクツを知ってもらおうと企画されましたが、我が社にとってもありがたいことです」
──みのりちゃんシリーズの第2弾として『みのり with ホンダ除雪機HSS1170n(JX)』が登場しましたが、なぜ除雪機なのですか。
高久氏 「ホンダのパワープロダクツとのコネクションも深まりましたので、次も一緒にやりたいと思ってました。除雪機であればまた違った世界観が作れるし、耕耘機と季節がまったく異なるので、服装もまったく違ったものになります」
──HSS1170n(JX)を選んだ理由はなんですか。
高久氏 「乗り込むタイプの大型の除雪機では世界観が作りにくいので、手でハンドルを握って運転する小型タイプにしました。資料のある現行モデルの中から、丸いライトのHSS1170n(JX)を選びました。丸いライトは愛嬌があってフィギュアと合わせるならこれしかないと思っていました」
──作りやすかったですか。
高久氏 「実際に制作してみると、硬い雪にも対応した巨大な回転式のクロスオーガの動きや雪を排出するシューターと呼ばれる部分など、忠実に再現するのは簡単ではありませんでしたね。途中でやり直した部分もあります」
──除雪機を操縦するみのりちゃんはいかがでしたか。
高久氏 「冬でも元気いっぱいのみのりちゃんはダウンジャケットとスノーブーツを着用し、マフラーのあり/なしに合わせて2ポーズから選択できるようにしました」
──『みのり with ホンダ』の第3弾はあるのでしょうか。
高久氏 「おかげさまで好評をいただいていますので検討しています。この世界観をイメージした、でも違った情景を作り上げていきたいと思ってます」
(聞き手:Motor Magazine編集部 千葉知充/まとめ:松本雅弘/写真:井上雅行)
グッドスマイルカンパニー 楽月工場 工場長に聞く
「グッドスマイルカンパニーはマックスファクトリーとともにフィギュアやプラモデルを企画、実際に製造や販売も行う会社です。このグッドスマイルカンパニー楽月工場は2014年に設立されました。それまでほぼすべてが中国で生産されていましたが、中国依存によるリスク回避と、新技術導入による製造技術革新のため、まんが王国と言われる鳥取県の倉吉にオープンしました。
鳥取県は『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる氏や『名探偵コナン』の青山剛昌氏を輩出したことでも知られるように、アニメやフィギュアへの関心が高く、プラモデルやフィギュアの製作に長けた人がたくさんいらっしゃいます。
高度な技術に裏付けられた緻密で情感豊かなマックスファクトリーの商品は、ファンの間から高い評価をいただいており、フィギュア文化をさらに広めるためにフィギュア職人の育成も図っています。また倉吉市に第2工場の建設も決まっており、2025年の稼働に向けて、現在準備を進めています」