アリアやエクストレイルに採用されている日産の電動化&車両制御技術e-4ORCEの性能を氷上という滑りやすい路面でテストする機会を得た。(Motor Magazine2023年4月号より)

e-4ORCEの制御能力はe-POWER 4WDの約1.5倍

画像: e-4ORCEを搭載するBEVのアリア。エクストレイルよりも330kg車重が重い。前後重量配分は51:49。

e-4ORCEを搭載するBEVのアリア。エクストレイルよりも330kg車重が重い。前後重量配分は51:49。

瞬時に駆動輪を制御できる電動化モデルが滑りやすい路面などでとても安全なのはよくわかる。そうしたモデルを多く揃える日産は、その実力を確認する機会を氷上で設けた。長野県女神湖で開催された「NISSAN Intelligent Winter Drive」である。

今回用意されたのは、アリア(e-4O RCE+BEV)、サクラ(FF+BEV)、エクストレイル(e-4ORCE+e-POWER)、キックス(4WD+e-POWER)、ノート&ノートオーラ&ノートオーテッククロスオーバー(4WD+e-POWER)、ノートオーラニスモ(FF+e-POWER)、フェアレディ Z(FR)、GT-R(4WD)である。なんとも贅沢なラインナップではないか。

FRのフェアレディZを氷上でドリフトさせながら走る、という愉しさもあったが、収穫はe-4ORCEと滑りやすい路面との相性の良さである。

そもそもe-4ORCEは、前後のモーターとブレーキを統合制御することで緻密なトルクコントロールが可能になっているのが特徴である。その制御時間は1万分の1秒単位で、瞬時に四輪のグリップ限界を算出しモーターの駆動力を制御することで、滑りやすい路面などでは絶大な効果を発揮するわけだ。その制御規模はe-POWER 4WDの約1.5倍になるという。

タイヤの限界内なら、思いどおりのラインをトレース

画像: エクストレイルはe-4ORCE+e-POWER。アリアより車重はこちらが軽い。前後重量配分は58:42。

エクストレイルはe-4ORCE+e-POWER。アリアより車重はこちらが軽い。前後重量配分は58:42。

また前後左右といった荷重の変化も認識、タイヤ摩擦力をブレーキ制御と駆動トルク制御でコントロールし、タイヤのポテンシャルを引き出す。

こうした効果は、今回の設定コースとなったミューの低い氷上などでもハンドルの切り始めからコーナーの出口まで四輪のグリップを最適に配分してくれるので安定した走りとなり、安心してコーナリングできることを確認することができた。それは当然、発進するシーンや深雪路面などでも同様でタイヤのスリップが抑えられ安定した走りとなる。

実際に用意された試乗車をすべて試したがその中で、e-4ORCEを搭載するアリアとエクストレイルの安定感は群を抜いていた。少し強くアクセルペダルを踏み込んでもタイヤの限界内であれば、思いどおりのラインをトレースしてくれる。

e-4ORCEやe-POWERといった電動化モデルはこうした路面に強いことが改めて確認できた。寒いとバッテリーの減りが早いという問題がクリアできれば、降雪地域ではベストな選択だと言えるだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:日産自動車)

This article is a sponsored article by
''.