インドネシアのエコカー基準に適合
アイラは、ダイハツが日本の軽自動車やコンパクトカーで培ってきた技術やノウハウをベースに、インドネシアのユーザー ニーズを徹底的に追求して開発した、Aセグメントの5人乗りコンパクト ハッチバック車だ。
経済成長に伴い拡大する新規自動車購入層向けのエントリーカーとして、インドネシアのエコカー基準である「LCGC(ローコスト グリーンカーの略)」に適合し、2013年の発売以来、新市場を開拓してきた。高い燃費性能とリーズナブルな価格を実現し、多くのユーザーから好評を得てきた結果、累計販売台数は約27万台にのぼっている。
今回のフルモデルチェンジでは、「エキサイティング シティカー」をコンセプトに、最新の1.2Lエンジン(WA型)を採用するとともに、1.0Lエンジン(KR型)についても性能向上を実施。さらに、CVT(D-CVT)やDNGA Aセグメント プラットフォームを取り入れることで、従来から燃費性能を約16.5%向上しつつ、操縦安定性や乗り心地などの走行性能や、安全・安心などを含めた基本性能を大幅に向上している。
このDNGA Aセグメント プラットフォームは、2022年2月にマレーシアにて発売した新型「アジア(AXIA)」と共通となる。小売り希望価格(価格は販売会社が独自に決めるため、参考価格)は1億3400万ルピア〜1億8990万ルピア(約120万円〜170万円)と、エントリーカーにふさわしいリーズナブルな価格を実現した。
存在感あふれるスタイリング。トヨタブランドでも展開
また、デザインは「パワフル&アグレッシブ」をテーマに、より存在感あるスタイリングに進化するとともに、コンパクトなボディサイズながら、おとな5人がしっかり乗ることができる室内空間と、小型スーツケースが4個入るラゲッジスペースを実現している。
初代に引き続きLCGCに適合し、トヨタ グループの新興国小型車事業の一環として、トヨタへのOEM供給やトヨタ ブランドでの輸出を実施する予定だ。
ダイハツはこれまで徹底した現地化にこだわり、車両の現地生産をはじめ、現地調達の拡大や、研究開発体制の強化、人材育成などを積極的に推進してきた。従来、日本から輸出していた1.2LエンジンやCVTを、2022年後半以降は現地生産に切り替え、1.2LエンジンはADM、CVTは2021年に設立した「ダイハツ ドライブトレーン マニュファクチュアリング インドネシア(DDMI)」にて生産しており、新型アイラのみならず、複数のADM生産車種に搭載している。
この新型アイラ、なかなかアカ抜けたデザインで、日本で発売してもウケそうなのだが、残念ながら現段階では日本仕様の予定はなさそうだ。
アストラ ダイハツ「アイラ」 主要諸元
●全長×全幅×全高:3760×1665×1515mm
●エンジン:1L 自然吸気(1KR-VE)/1.2L 自然吸気(WA-VE)
●トランスミッション:5速MT/CVT(D-CVT)
●駆動方式:FF
●乗車定員:5名