2023年4月12日(現地時間)、ベントレーがル・マン24時間レースで6度目の優勝を飾ってから20年を記念した限定車「ル・マン コレクション」を発表した。「コンチネンタルGT」と「コンチネンタルGTC」をベースに2モデル合計48台を製作する。

パーソナルコミッション部門であるマリナーが開発

今回発表された限定車「ル・マン コレクション」は、ベントレーのパーソナルコミッション部門であるマリナーが2003年のル・マンで優勝したダークグリーンのスピード8レーシングカーからインスピレーションを得て開発したモデル。

画像: ボンネットとルーフにはムーンビームレーシングストライプも施される。

ボンネットとルーフにはムーンビームレーシングストライプも施される。

バーダントグリーンのエクステリアから、フェシアに組み込まれたスピード8エンジンの一部まで、ベントレーとル・マン24時間レースの長く輝かしい歴史へのトリビュートが注がれている。

特徴的なマトリックスグリルには2003年のレースに優勝したナンバー#7がアークティカホワイトで描かれているが、これは1924年から1930年の間にル・マンで5回優勝したベントレーのラジエーター グリルのペイントを模している。ボディカラーは深みのあるバーダントグリーンを採用、ボンネットとルーフにはムーンビームレーシングストライプも施される。

インテリアにはタッチスクリーン、デュアルパネル、アナログダイアルの3種類から選べるベントレーローテーションディスプレイを装備。

アナログダイアル選択時の3連メーターの中央には、2003年のル・マン優勝車であるベントレー・スピード8の4.0LツインターボV8エンジンバルブが組み込まれている。32本のバルブのうちの24本を切断して、この究極のグランドツアラーの特別コレクションのために作成されたものだ。

また、標準装備の12時間表示のアナログ時計の代わりに、特注のデザインの24時間表示の時計も採用されている。

エンジンはベントレーが誇る6L W12 TSIを搭載。最高出力659ps、最大トルク900Nmというハイスペックで、最高速335km/h、0→100km/h加速3.6秒を実現する。

走りの面では、ベントレーダイナミックライドとアダプティブダンピング付き3チャンバーアクティブエアサスペンションを標準で装備、オプションの新設計カーボンセラミックブレーキ、可変エレクトロニックスタビリティコントロール、オールホイールステアリング、エレクトロニックリミテッドスリップディファレンシャルを選択すれば、俊敏性とパフォーマンスをさらに引き上げることも可能としている。

ベントレーとル・マン24時間とのただならぬ関係

今年はル・マン24時間レース100回目の記念すべき年でもある。もっとも、ベントレーとル・マンとの関係は、決して順調なスタートとは言えるものではなかった。

画像: ベントレー コンチネンタルGT ル・マン コレクションと、2003年のル・マン24時間レースで優勝した7号車ベントレー スピード8。

ベントレー コンチネンタルGT ル・マン コレクションと、2003年のル・マン24時間レースで優勝した7号車ベントレー スピード8。

「全くクレイジーだ。きっと誰も完走できない。クルマは24時間、そんな負荷がかかるように設計されていない」。1923年、プライベート参戦のジョン・ダフがベントレー3リッターでル・マン24時間レースに挑むと聞いたW.O.ベントレーは、そう反応したという。

しかし、W.O.ベントレーの魂に宿る競争心は燃え上がり、直前でダフとチームを支援。その結果ダフは4位入賞(ガソリンタンクの穴の修理のため長時間ストップしたにもかかわらず)と最速ラップを記録、W.O.ベントレーとベントレーモーターズは、翌1924年にワークス参戦して勝利を収めることになる。これが、7年間で5回の優勝を果たした栄光の始まりだった。

そして2001年、ベントレーはEXPスピード8で復活して6回目の完全優勝を目指す3年計画のスタートを切り、挑戦3年目の2003年6月15日、ベントレーの2台のワークスのスピード8は、この最も過酷な耐久レースで1位と2位を獲得することになる。

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