ジャガーワークスが波乱のレースを制す M.エバンスは連勝
40周のレースは、4番グリッドのダニエル・ティクタム(NIO)がスタートを決めトップに浮上。しかしティクタムは早くもアタックモードに入り、他の上位陣もアタックモードに入り、先頭には出ない作戦に。エネルギーを節約するための作戦であり、序盤はエネルギーを使用するオーバーテイクはあまりみられなかった。
12周目にセルジオ・セッテ・カマラ(NIO)とレネ・ラスト(マクラーレン)がクラッシュしたことによりSC(セーフティカー)が出動。15周目にリスタートされたが、各車エネルギーの節約が続き、終盤の激しいバトルに向けて静かにその時を待つ。
そんな中、20周目にティクタムとバンドーンがターン1でクラッシュし再びSC導入。SCが2回出たことにより、レースは40周から43周に延長された。
レース終盤の36周目、トップのバードをブエミがオーバーテイクしトップに浮上。勝負を仕掛けてペースを上げるブエミに、バード、エバンスのジャガー勢、そしてマキシミリアン・ギュンター(マセラティ)が追いかける。
ブエミは40周目までトップをキープしていたが、2位のバードを交わしたエバンスが勢いそのままにブエミもオーバーテイクしトップに浮上。エバンスがブエミとの差を広げる中、バードはブエミに対しプレッシャーをかけ続けていく。
ファイナルラップでついにブエミを捉えたバードが2位に浮上。残量が限界のブエミに対し、4位ギュンターも続く。最終コーナーでブエミと接触しながら並走。わずかな差でギュンターが前でフィニッシュした。
エバンスは前戦サンパウロに続き連勝、バードも2位に入りジャガーワークスが見事な1-2フィニッシュでベルリンダブルヘッダーの初戦を飾った。3位にはこれまでミスや不運が重なっていたマセラティのギュンターが入り、今季初の表彰台を獲得している。
トップ5のうち4台がジャガーのパワートレーン搭載マシンが占めた第7戦。これまで圧倒的な性能を見せてきたポルシェ勢だったが、母国開催となった今回のレースではジャガー勢に遅れをとってしまう格好となった。次戦は翌日に行われる第8戦ベルリンでは巻き返しなるか。
2023 フォーミュラE 第7戦 ベルリンE-Prix 決勝結果
1位 9 ミッチ・エバンス(ジャガー)1:07:.458
2位 10 サム・バード(ジャガー)+1.850
3位 7 マクシミリアン・ギュンター(マセラティ)+2.738
4位 16 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)+2.849
5位 37 ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)+4.787
6位 94 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)+9.111
7位 25 ジャン-エリック・ベルニュ(DS)+9.191
8位 36 アンドレ・ロッテラー(アンドレッティ)+9.504
9位 48 エドアルド・モルタラ(マセラティ)+10.159
10位 8 オリバー・ローランド(マヒンドラ)+10.308
2023年ドライバーズランキング(第7戦終了時点)
1位 94 パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)94
2位 37 ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)71
3位 25 ジャン-エリック・ベルニュ(DS)66
4位 9 ミッチ・エバンス(ジャガー)64
5位 27 ジェイク・デニス(アンドレッティ)62
6位 10 サム・バード(ジャガー)62
7位 13 アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)58
8位 16 セバスチャン・ブエミ(エンビジョン・レーシング)57
9位 58 レネ・ラスト(マクラーレン)40
10位 5 ジェイク・ヒューズ(マクラーレン)32
2023年 チームランキング(第7戦終了時点)
1位:ポルシェ 152
2位:エンビジョン・レーシング 128
3位:ジャガーTCSレーシング 126
4位:DS 88
5位:アンドレッティ 80
6位:Nマクラーレン 85
7位:マヒンドラ・レーシング 27
8位:マセラティ 20
9位:NIO 19
10位:日産 18