2023年4月28日、F1第4戦アゼルバイジャンGPが首都バクーの市街地サーキットで開幕する。3週間のインターバルを挟んでグランプリが再開されるが、レッドブル3連勝のここまでの流れがどう変わるのか、各チームはどこまで進化しているか、注目が集まる。アゼルバイジャンGPが今季初めて新しいスプリントレースフォーマットで行われるのも興味深い。

テクニカルなモナコと、超高速のモンツァをひとつにしたようなコース

2016年にヨーロッパGPとして初開催されて以来、バクーでのGPは今年で7回目となるが(2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止)、毎年のように波乱が起きている。

画像: 城壁に囲まれた狭い旧市街を駆け抜けるセクター2。高速セッティングのマシンで走ることになる。

城壁に囲まれた狭い旧市街を駆け抜けるセクター2。高速セッティングのマシンで走ることになる。

その要因のひとつがレースが行われるバクー市街地サーキット(Baku City Circuit)の難しいコースレイアウト。

近代的な建物が並ぶ中をフラットで直角コーナーが続くセクター1、狭く曲がりくねった旧市街を走るセクター2、ほぼ直線の広い道をアクセル全開で駆け抜けるセクター3と、性格の異なる3つのセクターを組み合わせたコースは、見る者にとってはおもしろいが、ドライバーにとってはスリリングで、チームにとってもどのセクターにマシンセッティングを合わせるのか悩ましい。

ドライバーごと、チームごとに速いセクターが微妙に異なることもあって、オーバーテイクのチャンスは多く、中でも「ターン16の出口からターン1まで」のF1最長のフラットアウト区間での攻防が見所のひとつになる。

画像: ほぼ直線の広い道が続くセクター3から、ゴールラインを抜けてセクター1に向かう。

ほぼ直線の広い道が続くセクター3から、ゴールラインを抜けてセクター1に向かう。

また、モナコ以上にアクシデントが多発するコースとして知られており、セーフティカーの導入もレースの行方を左右する。

風と路面温度の変化もポイントとなる。カスピ海から吹く風は気まぐれで、近代的な建物によって陽射しが遮られる場所もある路面は温度変化が激しい。そのため、タイヤの温度管理が難しく、しばしばタイヤトラブルが起きている。

とくに2021年には、タイヤバーストのアクシデントが続発。レース残り5周で、トップを独走していたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が左リアタイヤバーストからクラッシュしたシーンは衝撃的だった。

画像: バクー市街地サーキットのコース図。全長は約6kmと長く、変化に富んでいる。

バクー市街地サーキットのコース図。全長は約6kmと長く、変化に富んでいる。

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