1960年代末から日本でもスーパーカーが計画され、あるものは試作段階で消え、あるものは実際に販売までこぎつけた。2023年 ゴールデンウイークの特別連載企画として、そんな時代の最先端を目指した日本の志高いスーパーカーを紹介しよう。最終回となる第8回は、トミーカイラ ZZだ。

トミーカイラ ZZ(TOMMY KAIRA ZZ:1995-1999)

画像: 全長は3.6mあまりとコンパクト。全高の1.1mにおさえられた。高いサイドシルより上にドアは備わるがサイドウインドーはない。

全長は3.6mあまりとコンパクト。全高の1.1mにおさえられた。高いサイドシルより上にドアは備わるがサイドウインドーはない。

京都市の小さな自動車メーカー、トミタ夢工場。創業者の富田義一(とみた よしかず)社長と解良喜久雄(かいら きくお)、二人の名を取って「トミーカイラ」のブランド名でチューニングカーの製作を行っていた。

1995年、そのトミーカイラが完全なオリジナル車として発表したのが、この「トミーカイラ ZZ(ズィーズィー)」だ。車名は、「富田と解良の爺さん二人(爺・爺)が作ったクルマ」に由来するといわれている。

センターセクションはアルミモノコックを採用し、前後に鋼管サブフレームという構造。サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーン。これにFRP製のボディカウルという構成。ルーフ、サイドウインドー、エアコンといった走りに直接関係ない部分はそぎ落とし、低重心であるととともに、車両重量はわずか690kgに抑えられた。

エンジンは、日産のSR20DE型 直4DOHC。インジェクションではなくFCRキャブレターにより細かなエンジンセッティングを行うこができ、最高出力180psと最大トルク19.6kgmを発生した。これによりパワー/ウエイト レシオは3.83となり、まさにスーパーカーにふさわしい数値だ。生産は日本ではなくイギリスで行われ、1997年に販売開始。2年間で計206台が生産されたが、1999年に保安基準の改正でZZは大幅な構造変更を余儀なくされることになり、残念ながら販売中止にいたった。

画像: トミーカイラZZもベースのデザインにはムーンクラフトの由良拓也が携わっていた。

トミーカイラZZもベースのデザインにはムーンクラフトの由良拓也が携わっていた。

トミーカイラ ZZ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3630×1740×1100mm
●ホイールベース:2375mm
●車両重量:690kg
●エンジン型式:SR20DE型
●種類:直4 DOHC
●総排気量:1996cc
●最高出力:180ps/6900rpm
●最大トルク:19.6kgm/4900rpm
●トランスミッション:5速MT

画像: amzn.to
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