トミーカイラ ZZ(TOMMY KAIRA ZZ:1995-1999)
京都市の小さな自動車メーカー、トミタ夢工場。創業者の富田義一(とみた よしかず)社長と解良喜久雄(かいら きくお)、二人の名を取って「トミーカイラ」のブランド名でチューニングカーの製作を行っていた。
1995年、そのトミーカイラが完全なオリジナル車として発表したのが、この「トミーカイラ ZZ(ズィーズィー)」だ。車名は、「富田と解良の爺さん二人(爺・爺)が作ったクルマ」に由来するといわれている。
センターセクションはアルミモノコックを採用し、前後に鋼管サブフレームという構造。サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーン。これにFRP製のボディカウルという構成。ルーフ、サイドウインドー、エアコンといった走りに直接関係ない部分はそぎ落とし、低重心であるととともに、車両重量はわずか690kgに抑えられた。
エンジンは、日産のSR20DE型 直4DOHC。インジェクションではなくFCRキャブレターにより細かなエンジンセッティングを行うこができ、最高出力180psと最大トルク19.6kgmを発生した。これによりパワー/ウエイト レシオは3.83となり、まさにスーパーカーにふさわしい数値だ。生産は日本ではなくイギリスで行われ、1997年に販売開始。2年間で計206台が生産されたが、1999年に保安基準の改正でZZは大幅な構造変更を余儀なくされることになり、残念ながら販売中止にいたった。
トミーカイラ ZZ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3630×1740×1100mm
●ホイールベース:2375mm
●車両重量:690kg
●エンジン型式:SR20DE型
●種類:直4 DOHC
●総排気量:1996cc
●最高出力:180ps/6900rpm
●最大トルク:19.6kgm/4900rpm
●トランスミッション:5速MT