ドイツのシュトゥットガルトにあるメルセデスベンツ博物館には、1955年に使われていた高速レーシングカートランスポーター(運搬車)の「ブルーワンダー」が展示されている。トランスポーターなのに、まるでレーシングカーのような流れるようなフォルムにしているのには、ちゃんとワケがあった。

独創的なトランスポーターは昔も今も人気に

1955年当時、メルセデスベンツのモータースポーツファンは、このトランスポーターを見て、とても喜んでいた。トラックをベースにした通常のトランスポーターとは対照的に、このワンオフで作られた高速トランスポーターは、そのユニークでエレガントな外観やスピードのおかげで、群を抜いて人気があったという。

画像: 特徴的なデザインは、このトランスポーターが長きにわたって愛される理由でもあった。

特徴的なデザインは、このトランスポーターが長きにわたって愛される理由でもあった。

このトランスポーターには、メルセデスベンツのサービス車両の典型的な青い塗装と相まって、「ブルーワンダー」というニックネームが付けられた。

ブルーワンダーは1台のみが製造されている。とはいうものの、このワンオフは当時の量産車と密接な関係があった。これは、エンジニアとデザイナーが1950年代半ばに生産された乗用車から採用された多数のコンポーネントを使用したためだ。

たとえば、サスペンションは高級車の300S(W188)から採用された。アッパーミディアムクラスのサルーン「ポントン」(W120)は、数多くのボディパーツに貢献。

一方、排気量2996ccの直列6気筒M198型エンジンは、ガルウイングを持つスーパースポーツカーの300SL(W198)から受け継がれている。このエンジンは5800rpmで215psを発生するが、トランスポーターでは5500rpmで192psを発生した。

「引退後」も、ロードテスト部門で余生を過ごした

中央にメルセデスの星をあしらったラジエーターグリルは、当時のプロダクションスポーツカー、レーシングスポーツカーを彷彿とさせるものだ。

画像: 真正面から見ると、これがトランスポーターだということはわからないかもしれない。

真正面から見ると、これがトランスポーターだということはわからないかもしれない。

全長6.75m、ホイールベース2.9mのオリジナル高速トランスポーターは、実はもはや存在しておらず、現在展示されているのはレプリカとなる。

1955年シーズンの終わりにブランドがモータースポーツから撤退した後、1967年に廃棄されるまで、このクルマはロードテスト部門で使用されていたという。

その後、旧ダイムラーベンツAG が、このユニークな車両を 2001年にレプリカとして復活させている。それ以後、メルセデスベンツ シルバーアローのファンは、再びブルーワンダーを見て楽しむことができるようになった。

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