2022年に大幅増殖した電動車モデルのラインナップ
これまでの長期レポートでは、1年ほどの期間でひとつのクルマの使い勝手や個性を探ってきたが、今回からコンセプトを少し変更。従来よりも1モデルあたりの期間を短縮して、数多くの電動化モデルの特徴をレポートしていきたい。第1回はプジョーの電気自動車で、2022年4月に仕様変更が行われたe-208 GTだ。
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エクステリアデザインやインテリアを構成する素材、加速やハンドル応答性など、クルマの個性を推し量る要素はさまざまあるが、その中でも搭載されるエンジンが発生するパワーや音などは多くのファンを魅了してきた。中でも名エンジンと呼ばれる個性豊かなユニットはいくつもあり、これを搭載したモデルの人気は電動化の進む現代においても高い。
翻ってモーターを駆動装置として採用するBEV(電気自動車)や、搭載するエンジンの駆動装置としての存在感が小さくなっているHEV(ハイブリッド車)など、電動車においては従来の音や振動による個性は薄くなってしまいがち。では、こうした電動車たちの個性とはどんなところにあるのだろうか。前回、長期レポート車として初めてのBEVであるDS3クロスバック Eテンスを担当しているときから、こんな疑問を思い浮かべていたりもした。
そこで今回からの長期レポートでは、多国籍の自動車ブランドをまとめるステランティスにフォーカス。シトロエンやフィアット、ジープなど、日本市場で展開される8つのブランドの中から、ラインナップされている電動車たちそれぞれの個性を探っていこう、というのがこのレポートの趣旨だ。
では最近登場した電動車にどんなモデルがあるのか・・・。HEVでいえばシトロエン C5Xやジープ ラングラー、DS4やDS9のPHEV、また発表されたばかりアルファロメオ トナーレにも追加されることが公表されている。BEVにおいてもシトロエン E-C4やフィアット 500eなどに加え、今後DS3 Eテンスの大幅改良モデルやジープのコンパクトSUVアベンジャーの発表も控えている。羅列してみただけだが、個性的な面々が揃っているようにも感じられる。
そうした電動車の中から、長期レポートのトップバッターとして登場願ったのが、プジョーのコンパクトモデルe-208である。