電気自動車(BEV)DS3クロスバック Eテンスを1年ほど長期レポートしてきたが、そのなかで気になったのは、電動車の個性はどこにあるのかということ。ここからは少し嗜好を変えていくつかのモデルをレポートしていきたい。今回はプジョー e-208GTだ。(第1回/Motor Magazine 2023年3月号より)

塊感ある外観とスポーツ志向の内装が、「走りに行こう」と誘ってくるよう

2020年7月に、1.2L直3ターボを搭載する「208」とともに登場したBEVで、フロントシートとリアシートの下に合計50kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載する。デビュー当初、一満充電での航続可能距離はWLTCモードで380kmとされていたのだが、2022年4月には車室内の空調や7.4kWh車載充電器の冷却などを行うヒートポンプの効率化、またギア比を変更することで395kmまで延ばす仕様変更を受けている。

この進化を「わずか15kmの差」と捉えることもできるが、登場からわずか2年も経たないうちに仕様変更で性能を向上させてきた事実は、まだまだ電動化技術の進歩や効率化に伸びしろがあり、大きな可能性を秘めていることを示唆しているのではないか。・・・という考えは期待しすぎだろうか。

画像: 2022年4月の仕様変更でシフトセレクターはトグルタイプに変更。コンソール埋め込み式の省スペース設計になった。

2022年4月の仕様変更でシフトセレクターはトグルタイプに変更。コンソール埋め込み式の省スペース設計になった。

いずれにしても、e-208をはじめとするBセグメントのBEVにおいては、大きくて重い大容量のバッテリーを搭載するのではなく、普通充電でもひと晩で充電を完了する程度のちょうどいいサイズのバッテリーを採用することで環境性能を高める、というのがプジョーによる電動化戦略なのだ。

DS3クロスバック Eテンスとは兄弟・・・でも関係性は少し違う

e-208はアリュールとGTの2グレード編成で、長期レポート車として導入したのは装備をより充実させた後者だ。両者を比較すると外観での違いは少なく、アルミホイールが1サイズ大きな17インチになっていること、ブラックルーフによる2トーンボディカラーを採用することくらい。

画像: GTに装備されるインテリアアンビエンスランプは、3D i-コックピットともにドライバーの気分を高める要素のひとつ。

GTに装備されるインテリアアンビエンスランプは、3D i-コックピットともにドライバーの気分を高める要素のひとつ。

外装以上に差があるのは内装の装備で、中でもアルカンターラ素材のシートはコーナリングでも滑りにくく「GT」のスポーツ性を強調する大きな要素となっている。もうひとつ、寒い季節に嬉しかった装備がフロントシートヒーターだ。エンジン搭載車と違って、BEVの暖房は効き始めるまでに少し時間を要するため、オプション設定されているなら選択することをおすすめしたい装備である。

ちなみに、お察しの読者もいるかもしれないが、2023年1月号まで約1年間長期レポートしてきたDS3 Eテンスとe-208は、同じプラットフォームを採用して開発された兄弟モデルにあたる。ただし、その個性は大きく違って、どちらかといえば「いとこ」と表現したほうがしっくりくる。こうしたクルマの個性については次回にまとめていこうと思う。

画像: 立体的に見えるプジョーの3D i-コックピット。奥のモニターと、天板部のモニターを反射する手前の透明パネルで構成される。

立体的に見えるプジョーの3D i-コックピット。奥のモニターと、天板部のモニターを反射する手前の透明パネルで構成される。

第1回/2023年1月6日〜1月23日(1カ月目)のデータ
・オドメーター:3188km
・当月の走行距離:1273km
・充電量:約226.5kWh(充電メーター換算値)
・電費:約5.62km/kWh
・充電回数:11回(内、200V普通充電を7回/急速充電を4回)

プジョー e-208 GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm
●ホイールベース:2540mm
●車両重量:1500kg
●モーター:交流同期電動機 ZK01型
●最高出力:100kW(136ps)/5500rpm
●最大トルク:260Nm/300-3674rpm
●バッテリー総電力量:50kWh
●WLTCモード航続距離:395km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:205/45R17
●車両価格:512万4000円(2023年5月現在)

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