電気自動車(BEV)DS3クロスバック Eテンスを1年ほど長期レポートしてきたが、そのなかで気になったのは、電動車の個性はどこにあるのかということ。ここからは少し嗜好を変えていくつかのモデルをレポートしていきたい。今回はプジョー e-208GTだ。(第2回/Motor Magazine 2023年4月号より)

車両重量1500kgのBEVは優れたハンドリングを持ち味とする

航続可能距離を伸ばすため、近年登場するBEVは車高の高いSUVタイプが多く、車両価格も高価になる傾向だ。そんなBEV市場の中でも、ハッチバックのe-208は比較的軽量で手頃な車両価格に設定されている。こうした数字だけではわからない、クルマとしての個性はあるのか、1カ月間使用した印象を記していこう。

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画像: e-208と同じくコンパクトなサイズのバッテリーをもつBEV、三菱 eKクロス EVとともに取材に出たときのカットだ。

e-208と同じくコンパクトなサイズのバッテリーをもつBEV、三菱 eKクロス EVとともに取材に出たときのカットだ。

このプジョー e-208と、以前に長期レポートを担当したDS3クロスバック Eテンスは、同じプラットフォーム「eCMP」を採用して開発されたモデルで、駆動用モーターのパワー(136ps/260Nm)もリチウムイオンバッテリーの容量(50kWh)も共通する。いわゆる兄弟モデルにあたるのだが、目に見えるデザイン的な部分はもちろんのこと、シートに座っても走り出したとしても、共通項を見いだすことはとても難しい・・・どころか、ほとんど見つけられない。

共通するモーターパワーにしても、車両重量の違いや全高・重心の低さによってドライバーが感じる加速感は異なり、e-208はより鋭い印象だ。3つあるドライブモードからもっともハイパワーを発生する「スポーツ」モードを選択して、停止状態からアクセルペダルを一気に踏み込めば、ドライ路面でもトラクションコントロールシステムを作動させるほどの加速力を味わうことができる。

こうした運動性能を味わうためワインディングロードに行ってみれば、愉しい以外の言葉を思いつかない、プジョーらしい走りっぷりを見せてくれた。

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