SCゼロの力比べで他を圧倒した36号車
毎年、多くの観客で賑わうゴールデンウィーク期間中に行われる第2戦富士ラウンドだが、新型コロナウイルスによる制限がなくなりつつある今年は、パンデミック以前の盛り上がりが帰ってきた。そんな多くのファンが見守る中、文句のつけようがない速さで第2戦を制したのが36号車だった。
予選6番グリッドからスタートした36号車は、坪井翔がスタートドライバーを担当。坪井は積極的な走りで20周目に早くも3位表彰台圏内に浮上。そして31周目に16号車ARTA MUGEN NSX-GTを捉え2位にポジションを上げる。
36号車が2位に上がったタイミングで、ポールポジションからスタートし、トップを走行していた100号車と3位16号車がピットイン。100号車と16号車の翌周ピットインした36号車は事実上のトップのままコースに復帰する。一方で100号車は、22周と早いタイミングでピットに入っていた8号車ARTAにも先行される形となった。
レースの折り返しとなる50周目を周回し終えた段階で、36号車はすでに2位以下に10秒ものマージンを築く。1人のドライバーが許されている最大運転距離の66周が近付く中、各チーム最後のピットストップを敢行。36号車は宮田莉朋に交代し、トップのままコースに復帰した。後方では、16号車はピット作業違反によりドライブスルーペナルティが科され表彰台争いから脱落している。
ピットストップを遅らせていた24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが3位でコースに戻り表彰台圏内に浮上。しかし、残り5周で24号車は左フロントにダメージを負ってしまい、ピットに戻りリタイア。24号車が脱落し、3位争いは3台による戦いに。8号車ARTA MUGEN NSX-GTが3位を走行していたが、ファイナルラップ直前でスローダウン。最終盤にガス欠により、戦線離脱してしまう。3位争いは17号車と14号車ENEOS X PRIME GR Supraによる戦いとなる。
激しい3位争いを尻目に、28秒もの大差をつけた36号車が圧勝。Super Formulaでも好調な坪井・宮田のコンビは、GTでも勢いそのままに完全優勝。SCやFCYが出ないレースでこれだけの大差をつけての優勝は、ドライバーにとってもチームにとっても大きな自信になるだろう。2位にはポールスタートの100号車、3位には14号車とのバトルを制した17号車が入っている。
2023年スーパーGT 第2戦決勝 GT500結果(上位10台)
1位 36 au TOM'S GR Supra(坪井 翔/宮田莉朋) 100周
2位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐) +28.519s
3位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治) +49.370s
4位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)+50.466s
5位 3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)+58.159s
6位 37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)+59.585s
7位 23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)+1:04.910s
8位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)+1:05.169s
9位 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)+1:20.099s
10位 16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)+1:21.199s
2023年スーパーGT GT500 ドライバーズランキング(第2戦終了時)
1位 23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ) 25
2位 3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)21
3位 36 au TOM'S GR Supra(坪井 翔/宮田莉朋)20
4位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐) 18
5位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)16
6位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治) 15
7位 8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)11
8位 1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)7
9位 38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)6
10位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)6