タイヤ選択ズバリ、フェルスタッペン大逆転
予選で自らのミスと赤旗でまさかのノータイムとなり、9番グリッドからのスタートとなったフェルスタッペンの追い上げの秘策は、ハードタイヤでのスタートだった。ペース的には上位陣が履くミディアムタイヤには劣るものの、長いライフを活かして第1スティントをできるだけ引き延ばし、ミディアムタイヤでの第2スティントで勝負に出るという戦略だ。
果たして、この日のレッドブルは、ハードタイヤとの相性が抜群。フェルスタッペンはレース序盤から圧倒的なスピードで1台ずつかわしていき、15周目には早くも2番手に浮上。さらにそこからミディアムタイヤで逃げる首位ペレスを追い詰めていく。
21周目、たまらずペレスがタイヤ交換に入り、ハードへとスイッチ。ここからタイヤの履歴差を活かしてペレスが追い上げるかと思われたが、首位に立ったフェルスタッペンはタイムをほとんど落とすことなく45周目まで第1スティントを伸ばした。
終盤、ミディアムへのタイヤ交換によって再びペレスの後方となったフェルスタッペンだが、その差は2秒もなく、タイヤのアドバンテージを考えればここで勝負あった。48周目、あっさりと僚友をかわしたフェルスタッペンは、ファステストラップを更新しながら余裕のチェッカー。見事な逆転劇で今季3勝目を挙げた。
「昨日、ハードタイヤで行けるかどうか考えて、この戦略には自信があったんだ。レース自体も落ち着いてクリーンに1台ずつ抜いていくことができた」とレース後のフェルスタッペンはしてやったり。
一方のペレスは「全力を尽くしたけど、第1スティントのミディアムタイヤのペースが今いちだったのが響いた」と落胆の表情だった。レッドブル同士の争いとなることが確実なドライバーズ選手権争いは、これでその差が14点となった。
次戦第6戦エミリア・ロマーニャGPは、5月19日にイタリア、ボローニャ近郊イモラのアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリで開幕、5月21日に決勝が行われる。(文:新村いつき)
2023年F1第5戦マイアミGP決勝 結果[獲得ポイント]
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)57周[25]
2位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+5.384s [18]
3位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+26.305s[15]
4位 63 G.ラッセル(メルセデス) +33.229s[12]
5位 55 C.サインツ(フェラーリ) +42.511s[10]
6位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +51.249s[8]
7位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+52.988s[6]
8位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+55.670s[4]
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+58.123s[2]
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ)+62.945s[1]
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11位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+64.309s
21位 21 N.デフリース(アルファタウリ・ホンダRBPT)+88.949s
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)[1]
2023年F1ドライバーズランキング(第5戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)119
2位 S.ペレス(レッドブル)105
3位 F.アロンソ(アストンマーティン)75
4位 L.ハミルトン(メルセデス)56
5位 C.サインツ(フェラーリ)44
6位 G.ラッセル(メルセデス)40
7位 C.ルクレール(フェラーリ)34
2023年F1コンストラクターズランキング(第5戦終了時)
1位 レッドブル 224
2位 アストンマーティン 102
3位 メルセデス 96
4位 フェラーリ 78
5位 マクラーレン 14
6位 アルピーヌ 14