「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ポルシェ 911カブリオレだ。

トップ開閉は約13秒! ディフレクターも電動に

画像: クローズド状態ではソフトトップとリアセクションの間に段差はなく、クーペ同様の流麗なシルエットとなる。

クローズド状態ではソフトトップとリアセクションの間に段差はなく、クーペ同様の流麗なシルエットとなる。

ところが、ソフトトップを被った新型のサイドビューというのは、トップ部分が一貫して滑らかな後ろ下がりのラインを描き、まさにクーペのフォルムとウリふたつなのだ。これはもちろん偶然の産物などではなく、新たに開発を行ったファブリックの下に姿を隠す軽量なマグネシウムボウを採用したことによる成果であるという。

そんなルーフトップ部分が、電動油圧でZ字型に折りたたまれるのに必要な時間は約13秒!(クローズ時も同じ) 加えて、従来型と同様に50km/hまでの速度での走行中にも開閉は可能だから、そうした変身作業はまるで「サンルーフを開閉するかのごとき気軽さ」で行えてしまえるのがすごい。

もう一点、このモデルでの革新は、後方からの風の巻き込みを防ぐディフレクターにもある。効果は絶大であるものの着脱が面倒だった後席部分を占領するこのアイテムを電動化した! こちらの動作時間はなんと2秒で、スタイリッシュなルックスを採るか実用性を採るかを、スイッチひとつで決められる。

大きな段差や穴開き路面を通過した際のボディ振動の減衰感は、クーペと比べるとわずかに劣る。が、剛性感はオープンモデルとしては例外的なまでに高いのもまた事実。すなわち、走りのポテンシャルはクーペとほぼ同等。スーパースポーツカーの走りのポテンシャルにゴージャスなオープンカーの魅力も上乗せした、何とも贅沢な最新モデルの誕生だ。

画像: リアシートも備わるが、2+2で居住性は高くない。荷物置き場と割り切った方が良さそうだ。

リアシートも備わるが、2+2で居住性は高くない。荷物置き場と割り切った方が良さそうだ。

ポルシェ 911カレラ カブリオレ(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4491×1808×1299mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:1470kg
●エンジン:水平対向6 DOHC
●総排気量:3436cc
●最高出力:257kW(350ps)/7400rpm
●最大トルク:390Nm(39.8kgm)/5600rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:縦置きRR
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:前235/40R19、後285/35R19
●当時の車両価格(税込):1361万円

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