宇宙と地球の境界を示す「カーマンライン」からインスパイア
カリナンは、ロールス・ロイスが初めて送り出したラグジュアリーSUVだ。2018年に発表され、日本でも同年から発売されている。今回のプライベート コレクション「ブラックバッジ カリナン ブルーシャドー(以下、ブルーシャドー)」は、地球の大気圏が終わり、宇宙空間が広がる海抜高度62マイル(約9978m)に引かれた、目に見えない境界線である「カーマンライン」からインスピレーションを得ている。
この神秘的な天空の領域では、地球から見る空の青が宇宙の漆黒に溶け込み、暗闇が目に見えるような濃密な青のゾーンが広がる。美と静寂をたたえたこの神秘的な世界は、選ばれし少数の冒険者だけのために許された、ブルーシャドーの真髄を完璧に映し出す。これをイメージしたボディカラー「スターダスト ブルー」は、地球の大気圏上層の深い青色を捉えたものだ。サテン調のグリルサラウンドとエアロバンパー インサートセットには、地球に帰還するスペースシャトルを大気圏突入時の高温から守るために使われたサーマルタイルの仕上げを再現している。
ボンネット前端の「スピリット オブ エクスタシー」は、宇宙船に使われる素材からインスピレーションを得て、3Dプリント技術でチタンに青い色合いのラッカーを薄く塗布し、チタンのグレインテクスチャーにパールのような光沢が加えられている。そのベースには、ブラックバッジのインフィニティロゴとプライベートコレクションの名である「BLUE SHADOW」がチャールズブルーで刻まれている。美しいエクステリアの仕上げとして、ブルーシャドーのホイールには半透明のラッカーが使用され、さりげなくダークな印象を与えている。
カーマンラインでは、地球の大気圏の端が幻想的な青い光輪のように見えるという。青空から宇宙の漆黒の闇へと移るこの変化は、ブルーシャドーのインテリアでは、独自のペイントを施したフェイシアとドアパネルに表現されている。6種類の青と深い黒と組み合わせた層のペイントを重ね、立体的な美しさを生み出した。仕上げには、青と透明なガラス粒子を配合したクリアコートで、深みと光沢を加えている。その比率は、0.05%という数パーセント単位で正確に確定されている。さらに、ライトブルーのアノダイズド加工と「BLUE SHADOW」のエングレービングが施されたプライベート コレクション独自のビスポークのクロックでフェイシアは完成されている。