クラフトマンシップとテクノロジーが融合したラグジュアリーSUV
2020年秋に発表されたベントレーの事業戦略「ビヨンド100」の中で、2026年までに全ラインナップをPHEVとBEVに移行し、2030年までに全ラインナップをBEVに移行することが明らかにされた。そのゴールへの過程にあたる現在、フライングスパーとここで紹介するベンテイガの2モデルにPHEVが用意されている。
ベンテイガ ハイブリッドはベントレー初のPHEVであり、ラグジュアリーSUVの世界で電動化にいち早く名乗りを上げた先駆者でもある。日本市場においては2021年11月のビッグマイナーチェンジを機に発売され、大きな注目を集めたモデルだ。
クリスタルカットデザインを施されたヘッドライトと同様に、きらびやかな輝きを発するテールランプを採用している。
最高出力250kW（340ps）、最大トルク450Nmの3L V6ターボエンジンと、94kW（128ps）、350Nmを発生するモーターを組み合わせ、システム合計で最高出力は330kW（449ps）、最大トルクは700Nmを発生する。
一方で、エンジン搭載モデルに真似できないのが電気モーターを用いたEV走行で、その航続距離は約50km（NEDCモード）。またEV走行時の最高速度は135km／hに達する。しかも、車両重量2690kgながらも、0→100km／h加速タイムは5.5秒となかなかの俊足ぶりを誇るのも特長だ。
メーターパネルやインフォテインメントのいくつかの表示がPHEV専用となっているほか、夜間走行時の歩行者や大型動物などとの衝突を避けるためにナイトビジョンが搭載されており、ラグジュアリー感満点のキャビンはクラフトマンシップとテクノロジーが融合したものとなっている。
ドライブフィールも極めてなめらかな印象で、上質であることこの上ない。いわばベントレーの象徴であるW12エンジンが持つ内燃エンジンの究極的なスムーズネスをモーターによる電動化で再現したような印象を受ける。むろんその世界観を燃料を消費することなく、ゼロエミッションで実現しているところに、このクルマならではの価値があると言えるだろう。
ベントレー ベンテイガ ハイブリッド 主要諸元
●全長×全幅×全高：5125×1995×1710mm
●ホイールベース：2995mm
●車両重量：2690kg
●パワートレーン：3L V6DOHCターボ＋モーター
●最高出力：エンジン250kW＋モーター94kW
●最大トルク：エンジン450Nm＋モーター350Nm
●最小回転サークル：12.4m
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：プレミアム・75L
●WLTPモード燃費：29.4km／L
●タイヤサイズ：285／45R21
●車両価格：2450万8000円
