2023年6月4日、フォーミュラE第11戦がインドネシア・ジャカルタで行われ、マキシミリアン・ギュンター(マセラティ)が初優勝を達成した。2位はジェイク・デニス(アンドレッティ)、3位にはミッチ・エバンス(ジャガー)が入っている。(文:河村大志)

好調ギュンターが連続ポールポジション獲得

画像: ジャカルタでは無類の強さを見せたギュンター。

ジャカルタでは無類の強さを見せたギュンター。

ダブルヘッダーで行われたジャカルタで速さを見せたのがマセラティとギュンターだった。土曜日に行われた第10戦では自身初のポールポジションを獲得し、決勝でも3位表彰台を獲得した。一貫した速さを見せたギュンターは日曜日の第11戦でも躍動。連続でポールポジションを獲得し、フォーミュラE初優勝を目指す。

フロントロウには第10戦と同じくデニスがつけた。開幕戦の優勝を含めシーズン序盤には圧倒的な強さを見せていたデニスだったが、徐々にポジションを回復してきている。決勝は勢いに乗る2人のバトルが期待された。

僅差でランキング2位のパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)は6番手スタート、ランキング首位のニック・キャシディ(エンヴィジョン・レーシング)は10番グリッドからスタートする。

画像: 前日に続き2度目のポールポジション獲得となったギュンター。

前日に続き2度目のポールポジション獲得となったギュンター。

ギュンター&マセラティがフォーミュラE初制覇!

前日より2周長くなった第11戦。ポールシッターのギュンターはスタートを決めトップを堅守。ギュンターが早くも最初のアタックモードを起動しするも、2位のデニスにトップの座を奪われてしまう。

画像: 上位勢はポジションを守りながらターン1へ。後方では7番手スタートだったサッシャ・フェネストラズ(日産)が4番手まで浮上している。

上位勢はポジションを守りながらターン1へ。後方では7番手スタートだったサッシャ・フェネストラズ(日産)が4番手まで浮上している。

さらに9周目にはエバンスがギュンターをオーバーテイクし3位に浮上。順位を立て続けに落としたギュンターだったが、すぐにエバンスを抜き返し2位を取り戻してみせた。トップに出たデニスはエネルギーマネジメントを行いつつトップの座を譲らない。

デニスはギュンターより先に2度目のアタックモードを使い3位に後退。アタックモード中にも関わらず2位のエバンスに引っかかってしまったデニスを見たギュンターはペースを上げギャップを詰めていく。そして2度目のアタックモードを消化した時、デニスの前で復帰することに成功した。

後方ではポイントランキング1位と2位が接触。ウェーレインと接触してしまったキャシディが緊急ピットを強いられポイント圏外に。

3位のエバンスはギュンターとデニスに比べエネルギー残量が少なくペースダウン。一方トップ2台はペースアップし独走状態に。混戦で繰り広げられるフォーミュラEにおいて珍しいレース展開となった。

その中でもトップギュンターのペースは高く維持されたままでデニスに3秒近いマージンを保ったままトップでフィニッシュ。見事自身初、そしてマセラティに初のフォーミュラEでの優勝をもたらした。

デニスが前日と同じ2位を獲得しランキング2位に浮上、3位は苦しみながらもエバンスが入っている。4位にサッシャ・フェネストラズ、5位にノーマン・ナトーの日産勢が入り、ウェーレインは6位でレースを終えた。ランキングトップのキャシディがノーポイントに終わったことにより、ウェーレインがポイントリーダーに浮上している。

画像: 初優勝を喜ぶギュンター(左)とチーム代表のジェームズ・ロシター(右)

初優勝を喜ぶギュンター(左)とチーム代表のジェームズ・ロシター(右)

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