2023年6月4日(現地時間)、F1第8戦スペインGP決勝がバルセロナ郊外モンメロのカタルーニャ・サーキットで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。2位にはメルセデスのルイス・ハミルトン、3位にもメルセデスのジョージ・ラッセルが入った。角田裕毅(アルファタウリ)は9位でチェッカーを受けたものの、タイムペナルティにより12位となった。

一度も首位を譲らず「グランドスラム」、フェルスタッペンが通算40勝達成

ポールポジションからスタートを決めて独走体制へ。そのまま全周回で首位を維持し、最速ラップも決めて優勝と、フェルスタッペンが完璧な“グランドスラム”を演じた。

画像: スタート1周目の攻防を制したフェルスタッペンは、その後、レースをコントロール。危なげなく66周を走り切った。

スタート1周目の攻防を制したフェルスタッペンは、その後、レースをコントロール。危なげなく66周を走り切った。

画像: 厚い雲がサーキットを覆う中で、決勝レースはスタート。フェルスタッペンは雨の可能性も考慮してスタートでミディアムタイヤを選択した。

厚い雲がサーキットを覆う中で、決勝レースはスタート。フェルスタッペンは雨の可能性も考慮してスタートでミディアムタイヤを選択した。

金曜日の走り出しから圧倒的なスピードを見せていたフェルスタッペンとレッドブルに唯一の不安があったとすればスタートだった。

他の上位勢たちがソフトを選択してグリッドについたのに対し、レッドブルの選択はミディアム。大きなペース差を活かして、より固いタイヤでロングスティントを走ろうという目論見だったが、さすがにスタートの蹴り出しはソフトが優位。

案の上、ターン1の進入で2番グリッドからスタートしたカルロス・サインツに並びかけられる。しかしここでフェルスタッペンは巧みなブロックでフェラーリを封じ込めると、瞬く間にDRS圏外へ。

そのまま差を広げながら、ミディアムからハード、ハードからソフトと2回のタイヤ交換機を無難にこなし、2番手以下に大差をつけて今季5勝目のトップチェッカーを受けた。

「まずは素晴らしいクルマに仕上げてくれたチームに感謝したい。タイヤの戦略も間違ってなかったと思う。確かにスタートでは際どかったけど、なんとか抑えこめることができた。このままの調子でシーズン最後まで戦えるといいね」とフィニッシュ後のフェルスタッペンは上機嫌。これで4位に終わったチームメイトのセルジオ・ペレスとのポイント差は53点にまで広がった。

タイヤマネージメントも良好、メルセデスに復調の兆し

予選ではライバルたちに遅れをとったメルセデスが、今季初めて2台を表彰台に送り込んだ。

画像: 2位に入ったメルセデスのルイス・ハミルトン。3位にもチームメイトのジョージ・ラッセルが入っており、メルセデスに復活の兆しがうかがえた。

2位に入ったメルセデスのルイス・ハミルトン。3位にもチームメイトのジョージ・ラッセルが入っており、メルセデスに復活の兆しがうかがえた。

フェラーリやアストンマーティン勢に先んじることのできた最大の要因は、スタートタイヤのソフトでロングスティントをこなしたこと。

前戦モナコで投入した新型サイドポンツーンやフロントサスペンション改良などアップデートの成果でタイヤのデグラーデーションが少なく済み、とくにハミルトンはレース全般を通じてフェルスタッペン以外のライバルたちよりも速いペースを維持、フィニッシュ後には「ここまでハードワークをしてくれたチームのみんなに脱帽だ。まだレッドブルとの差は大きいけど、このまま前に進んでシーズンの最後にはなんとか追いつきたい」と逆襲の意欲を新たにしていた。

画像: スペインGPの各ドライバーのタイヤ戦略。ほとんどのドライバーが2ストップだが、ハード、ミディアム、ソフトと選択が分かれるレースとなった。

スペインGPの各ドライバーのタイヤ戦略。ほとんどのドライバーが2ストップだが、ハード、ミディアム、ソフトと選択が分かれるレースとなった。

次戦第9戦カナダGPは、6月16日にモントリオール郊外ノートルダム島のジル・ヴィルヌーブ・サーキットで開幕、18日に決勝レースが行われる。(文:新村いつき)

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