雄大な南アルプスと中央アルプスに抱かれたSA
中央自動車道を東京から山梨、そして長野と西進。諏訪湖を経て南進すると、中央自動車道は南アルプスと中央アルプスに挟まれた回廊のようなエリアを通ります。そこが伊那、駒ヶ根、そして飯田などが続く長野県の南部エリア。その長野県南部にある中央自動車道の大型SAが、駒ヶ岳SA(下り)です。信州最後のSAともいえます。
このエリアで有名なのが、「駒ヶ根ソースかつ丼」。当然ですが、駒ヶ岳SA(下り)のフードコートやレストランでも、断トツの人気ナンバーワンとなっているとか。でも、逆に言えば、駒ケ根エリアであれば、どこにでも「駒ヶ根ソースかつ丼」が販売されています。そこで、駒ヶ岳SA(下り)の料理長さんは、「うちのSAならではの名物メニューを用意したい」と考えたそうです。
そして生まれたのが、今回紹介する2つのメニューです。
信州の食材を名古屋方面の人に食べてもらうために、ひと工夫
レストランで提供されている名物メニューとして、駒ヶ岳SA(下り)の料理長さんは「野沢菜」に着目しました。たしかに野沢菜といえば、これぞ信州!という歴史あるソウルフードです。しかも、もう一品の信州名物を追加します。それが「塩イカ」でした。その名のとおり、イカを塩で漬け込んだというもの。内陸で海鮮と塩がない長野で、長く食されてきた保存食です。
そして、さらに工夫を加えます。「名古屋の人たちに食べてもらえるように、名古屋の人たちの親しんだ食べ方にしよう」と。こうしてできあがったのが「野沢菜漬かきあげのひつまぶし膳」(1310円)です。
まずは、野沢菜漬けと塩イカを使ったかき揚げを、ご飯と一緒にドンブリ風にいただきます。野沢菜漬けと塩イカのかき揚げは、意外や、しょっぱさはありません。揚げたぶん、野沢菜漬けの味が濃く楽しめます。また、塩イカは、柔らかくてスルメのような食感と味。甘めのタレもあって、ご飯との相性もばっちりでした。
このドンブリに、長野産のワサビとネギをトッピングすると、さっぱり風味となります。最後に出汁をかけて、お茶漬けとしていただきます。かき揚げの衣、塩イカの海鮮風の味、そして野沢菜漬けの食感が調和するおいしさ。信州自慢の食材がたっぷりなので、ドライブの旅情も楽しめます。味変しながらいただく、駒ヶ岳SA(下り)ならではのグルメといえるでしょう。