「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スバル BRZのベストチョイスを探る。

スバル BRZ(2012年:ニューモデル)

画像: 最上級グレードの「S」。予算的に問題がなく、ノーマルのままで走りを楽しみたいなら、これを選ぶのが無難だ。

最上級グレードの「S」。予算的に問題がなく、ノーマルのままで走りを楽しみたいなら、これを選ぶのが無難だ。

スバル BRZの車種体系は、カスタマイズベースの「RA」、ベーシックな「R」、そして最上級の「S」という3グレード展開となる。走りに関する部分では、RとSではタイヤのサイズや銘柄が異なり、Rが16インチ、Sが17インチとなるほか、Sには標準でトルセンLSDが装着され、ブレーキの仕様にも違いがある。ただし、このあたりはRでも「17インチ パフォーマンスパッケージ」を選べば同じ仕様になる。

インテリアの雰囲気もだいぶ違っている。Sにはシルバー加飾をはじめ、本革巻きのアイテム、アルミパッド付きのペダルが備わるほか、AT車にパドルシフトが付くのも大きな違いだ。だがこれも「スポーツインテリアパッケージ」を選べば、Rでも同じ仕様にできる。

一方で、Sでは標準装備となるフルオートエアコン、プッシュスタート、トリコットにファブリックを組み合わせたシート、フレームレスインナーミラーなどは、Rには設定がない。これらが欲しければSを選ぶほかない。リアスポイラーとフロアアンダーカバーがセットで付く「エアロパッケージ」は、R、Sともにオプションだ。

エンジンはすべて共通だが、トランスミッションはMTとATでは変速比が異なる。さらにMTの中でも16インチと17インチで減速比は異なり、17インチ仕様の方が加速重視の設定となる。いずれにしても自然吸気ながらリッターあたり100psを達成した直噴ボクサーエンジンは、なかなかパワフル。従来のスバルの自然吸気エンジンにはなかった印象だ。

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