2023年7月11日(英・現地時間)、アストンマーティンは創立110周年を記念し、5.2L V12ツインターボと6速マニュアルトランスミッションを組み合わせたスペシャルエディション「ヴァラー(Valour)を発表。世界限定110台の希少モデルだ。

715psの5.2L V12ツインターボを搭載

アストンマーティン創立110周年を記念して登場したスペシャルエディション「ヴァラー(Valour)」。その血脈には、アストンマーティンが長年に渡って培ってきたモータースポーツのノウハウが色濃く反映されている。ちなみに「ヴァラー」とは英語で「勇者」を意味する。アストンマーティンが「史上最強のドライバーズカー」と自負するに足るネーミングと言えるだろう。

画像: ハニカムデザインの21インチアルミホイールが足下を引き締める。

ハニカムデザインの21インチアルミホイールが足下を引き締める。

世界で110台しか販売されない「ヴァラー」の心臓部は、最高出力715ps/最大トルク753Nmの5.2L V12ツインターボ。組み合わされるトランスミッションは専用設計の6速マニュアルだ。往年のスーパースポーツモデルを思わせる仕様だが、そのアナログ性にこそアストンマーティンのこだわりを見ることができそうだ。

パワートレーンには、専用のキャリブレーションが施され、あらゆるギアと回転域で圧倒的なパワーを発揮し、最高レベルのパフォーマンスと最大限のコントロール性を提供するという。操縦安定性面では、機械式リミテッドスリップデフがエレクトロニックトラクション&スタビリティコントロールシステムのサポートを受けることで、ドライバーとクルマの一体感が図られている。

ドライビングモードはスポーツ/スポーツ+(プラス)/トラックの3つが用意され、それぞれの状況で最適なスロットルレスポンスやトルク特性、サウンドキャラクターを提供する。専用設計のサスペンションには、アダプティブダンパーやスプリング、アンチロールバーが備えられ、ホイールアライメントのジオメトリは、専用のキャンバーやキャスター、トーとされている。

ボディ構造は、フロントおよびリアシアーパネル、リアサスペンションタワーストラットブレース、燃料タンクブレースなどの採用により、ねじり剛性と横方向の剛性の両方を最大化が図られた。さらに、ステアリングシステムの精度をさらに高めることにより、路面の状況やタイヤと路面とのコンタクトがより正確にドライバーに伝わるようにされたという。

ブレーキは、フロントにカーボンセラミック(CCB)ブレーキを備えた410mm x 38mmのブレーキローターと6ピストンキャリパーが、リアには360mm x 32mmディスクと4ピストンキャリパーが装着される。CCBディスクは、ブレーキ性能を向上させるだけでなく、スチール製ブレーキと比較してバネ下重量が23kgも大幅に軽減され、最大800℃の温度でもブレーキフェードが起きないように設計されたものだ。

ホイールは21インチ軽量鍛造合金「ハニカム」を採用し、タイヤはアストンマーティン専用ミシュランパイロットスポーツS5タイヤ (フロント275/35R21、リア325/30R21)が装着される。

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