エバンスが逆転に向けてポールポジション奪取
今シーズンも残すはロンドンのダブルヘッダーのみ。混戦模様の様相を見せていたチャンピオン争いだったが、第14戦ローマで形成が大きく変わり、デニスが大きなリードをもってロンドンに乗り込むこととなった。
第14戦終了時のランキングはデニスが195ポイントでトップ、2位ニック・キャシディ(エンビジョン)が171、3位エバンスが151、そして4位パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)が146となっており、チャンピオンの権利があるのは上位4名に絞られている。
ライバル勢が軒並み戦線離脱していく中、今季2勝目を挙げたデニスが2位に24ポイントという大きいマージンを獲得している。キャシディ、エバンス、ウェーレインの3名は予選からデニスの前に立ち、ポイントを獲得しなければいけない状況だ。
そんな後がない中、予選で見事ポールポジションを獲得したのはランキング3位のエバンスだった。前戦キャシディとの接触があり、5グリッド降格のペナルティを受けているエバンス。しかし予選でポールポジションを獲得し、貴重な3ポイントを獲得。決勝は6番グリッドからスタートすることとなった。
エバンスの降格により、決勝グリッドの最上位は予選2位のキャシディがつけ、2番グリッドにはデニス、3番グリッドにブエミがつけている。
波乱のレースを2位でゴールしたデニスがチャンピオン獲得!
コースの前半は屋内という特徴的なレイアウトのロンドン。正規のグリッドにつく際に発生するタイヤスモークが籠る中、36周のレースがスタート。
ここでチャンピオンを決めてしまいたいデニスだったが、スタートで3番グリッドのブエミに2位の座を奪われてしまう。これでエンビジョンがワンツー体制となり、チャンピオンを狙うキャシディにとってこれ以上ないスタートとなる。
デニスはブエミのブロックを受け、前に出ることができず、エバンスにも抜かれ厳しいレースに。一方、トップのキャシディは早くもマージンを築き、トップのまま義務であるアタックモードを2回消化。
その後エンビジョンは順位を入れ替えブエミもアタックモードを消化させようとするも、エバンスがエンビジョンの2台をパスしトップに浮上する。
ライバルたちがアタックモードを消化する中、デニスはアタックモードの起動に失敗するなど苦戦を強いられるが、大きく順位を落とすことなく上位集団の中で走行を続ける。
これまで完璧なレース運びかと思われていたエンビジョンチームだったが、キャシディとブエミが接触しキャシディのフロントウイングが破損。無線で順位変更の指示がうまく伝わっていなかったことが予想されるが、あまりにも痛いアクシデントとなってしまった。
緊急ピットインをせざるを得なかったキャシディだったが、最終的にリタイア。これでキャシディのチャンピオンの夢は潰えてしまう。